総旅行人数、19年比12・2%減の2億7440万人まで回復見込む JTB予測・23年の旅行動向
JTBは1月26日、今年2023年の旅行動向の見通しをまとめた。コロナ禍中での旅のスタイルが確立されてきたことから、総旅行人数は2億7440万人と推計。前年比では10・7%増で、コロナ前の19年比では12・2%減まで戻ると予測した。国内旅行はもちろん、海外旅行も徐々にながらも一定の回復を期待。本格的な旅行復活へ着実に前進する一年になる。
国内旅行市場は、個人での感染症対策の浸透や全国旅行支援などの施策などから昨年秋から大きな回復傾向に入った。円安などによる家計状況の悪化といった懸念もあるものの、コロナ前の水準に迫るまで回復するとみて、今年の国内旅行人数は前年比8・6%増、19年比8・8%減の2億6600万人と予測した。
国内旅行の平均消費額は同1・5%増、19年比5・8%増の4万300円。消費額合計は同「10・2%増、19年比3・6%減の10兆7200億円まで戻ると試算した。

国内旅行動向は、ワールド・ベースボール・クラシックの東京ラウンドをはじめ大型スポーツイベントが豊富。東京ディズニーリゾートの40周年や各地で商業施設やホテルの開業が相次ぐなど話題が多い。旅行トレンドとしてはワーケーションの浸透やカーボンニュートラル、SDGsに配慮した商品の増加など新たな旅のスタイルの浸透が一層進みそうだ。
海外旅行については、水際対策の緩和やパッケージツアーの販売再開で増加傾向。ただ、国際情勢の不透明さや円安、燃油サーチャージの上昇もあり、同189・7%増、19年比59・6%減の840万人と緩慢な回復にとどまりそうだ。平均消費額は同1・8%増、19年比24・3%増の29万4900円、消費総額は同195・2%増、19年比48・0%減の2兆4800億円。
一方で、訪日旅行は円安が追い風になり、同450・6%増、19年比33・8%減の2110万人と急速な回復を予測。本格的なインバウンド再開が進む一年になるとみられ、受け入れ態勢の整備が急務になる。
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