ジェットスター 23年度までに保有機10機増の35機に
ジェットスター・ジャパン(GK)は9月10日に事業戦略説明会を開催し、2023年度までに所有機数を現在の25機から35機まで増やして国際線・国内線を拡充する考えを示した。
すでに発表している通り、20年半ばから中距離路線に使用できる最新機材のA321LR型機を3機導入するほか、代表取締役社長の片岡優氏によれば「同様の機材」を7機追加する。
東南アジアのリゾート路線など、新たな路線の開設をめざすとともに、まずは需要の大きい国内の基幹路線に提供して座席供給量を増やす。
A321LR型機はGKが「次の成長フェーズに入る」ことをめざして導入するもので、座席数はメインの機材として使用している180席のA320型機と比べて約35%増加する。なお、「東南アジアのリゾート路線」の候補地については明らかにせず、また、昨年の説明会で「検討を始めた」とコメントしていた、上級席を含む2クラス制の導入についても語らなかった。
執行役員CFO財務本部長の鈴木明典氏は、今後の新機材の導入と、このほど羽田の国際線昼間枠を配分された国の航空会社が成田線の“羽田シフト”を進める可能性などの関係についてコメント。
「GKのメインのベースである成田は、今後もA321LR型機などの新機材を導入する最優先候補となる。路線拡充の観点から考えると、成田の利用枠が増えることは基本的にプラス」と述べた。
しかし新たな国際線の開設などの構想については示さず、「内際のバランスや各路線の状況を勘案しながら決定したい」と語るにとどめた。
今回の増枠においてはオーストラリアの航空会社にも2便分が配分されており、カンタス航空の(QF)による羽田シフトの可能性が考えられるが、ジェットスター航空(JQ)を含めたグループ全体の戦略への影響については、「グループの一因として、特にJQとの接続利便性については配慮してきたが、今後も変わらない。GKの国内線ネットワークをシームレスに使っていただきたい」とコメントした。
そのほか、GKと同じく日本航空が株主で、来年に中距離国際線に就航するジップエアとの協働については、片岡氏が「協業できる部分について、互いにメリットのある検討を進めたい」とのみコメント。
昨年8月の記者会見で明らかにしていた国際線における他のLCCとのパートナーシップ締結に向けた検討についても、「何かを発表できる段階にはない」と述べるにとどめた。
現在の成田・関空・中部に加えて、国内に第4の拠点空港を検討していることについては、複数路線を設けている新千歳・福岡・那覇を候補地として挙げ、今期(19年7月~20年6月)のうちには拠点化したい」と述べた。
なお、新千歳と福岡については今年に入り夜間駐機を開始し、より利便性の高い運航スケジュールに変更したという。
そのほか、この日の発表会では19年6月期の業績についても発表。新たに5路線を開設するなど、国内線の強化により営業収入は前年同期比6.2%増で過去最高の605億2300万円となった。
営業利益は6.2%減の10億6400万円、経常利益は13.4%減の9億4500万円、当期純利益は4.1%減9億1400万円。
燃油費の上昇や自然災害などの影響を受け増収減益となったものの、4期連続で黒字を達成した。有償搭乗者数は3.0%増の552万人だった。
情報提供 トラベルビジョン
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