新幹線開業と開湯１４０年　福井県あわら市

福井県あわら市から「あわら温泉女将の会」とあわら市、あわら市観光協会の８人がこのほど、トラベルニュース社東京総局を訪れ、北陸新幹線が３月16日に敦賀駅まで延伸開業することや、今年開湯１４０年を迎える「あわら温泉」をアピールした。

一行は１月20、21日とＪＲ大宮駅で観光キャラバンを実施。その後、東京で観光メディアや旅行会社を訪問し「あわら温泉が頑張ることで、能登半島地震からの復興につなげたい」と訴えた。

女将の会会長の山口由紀さん（グランディア芳泉）は能登半島地震の影響について「数軒の旅館で備品の破損などの被害はありましたが、翌日から通常営業を再開しています。福井県知事が福井県は被災県ではなく応援県であると表明したように、私たちも目の前の客様をしっかりおもてなしすることが能登半島の復興につながると信じています」と述べていた。

女将の会では、新幹線が開業する３月16日と翌17日に「あわら温泉駅」に立ち、歓迎イベントを行う。

あわら市観光協会の前田健二会長（美松）は「敦賀駅延伸で北陸新幹線には芦原温泉駅、加賀温泉駅、黒部宇奈月温泉駅と３つの温泉駅ができます。三湯温泉物語として北陸に連泊し周遊してほしい」と、北陸観光活性化に期待を示した。

これまで東京からあわら温泉へは、東海道新幹線米原駅経由が一般的だったが、北陸新幹線延伸で東京―芦原温泉駅は乗り換えなしで最短２時間51分で結ばれる。新潟や東北エリアから大宮駅経由でのアクセスも大幅に向上することになる。

あわら温泉は今年湯開１４０年を迎えた福井県最大の温泉地。共同源泉ではなく、旅館15軒それぞれが独自に源泉を所有し、同じ温泉地であっても微妙に泉質が異なるのが特徴だという。

北陸新幹線金沢駅が開業した以降も関東からの宿泊客は全体の１割程度と馴染みが薄いが、日本海の景勝地、東尋坊へは車で10分ほど、近隣の汽水湖、北潟湖周辺ではサイクリング、カヌーが楽しめ、市内にはフルーツ狩りができる観光農園も多い。

芦原温泉駅から歩いて数分の「あらた坂」には、漫画・アニメの「ちはやふる」に登場するシーンのモデルとなった桜並木がある。北陸新幹線延伸に加え、３月には北陸応援割も始まり、北陸旅行の好機が訪れる。