観光産業が日本を救う 全旅連青年部全国大会開催・西村総一郎部長に聞く(1) 次世代に継承する改革を
全国旅館ホテル生活衛生同業組合青年部(1200部員、西村総一郎部長=兵庫県城崎温泉・西村屋)は10月30日、長崎市の長崎ブリックホールで第24回全旅連青年部全国大会を開いた。西村部長に、全国大会への意気込みや、今期の活動、観光産業の将来像などについて聞いた。
次代を担う会員に伝えたいこと
―全国大会の目的はなんでしょう。総会と別にある理由をどのように思っていますか。
西村 出席するメンバーが各県部長であるとかなどに限られている総会と異なり、全部員が対象の全国大会では、全国から多くの仲間が集まり、活発な意見交換や新しい知見が得られます。また、2年間の活動の集大成を、部員をはじめとする内外に発信する機会でもあります。人口減少、高齢化などの社会構造、インバウンド観光の伸長など変化の激しい時代であり、全国大会を通じて全旅連青年部が社会全体によりよい変化を与えられる組織であらんとする存在感を高めたいと思います。

西村青年部長。
私服でのインタビューはリラックスした
雰囲気づくりを手伝ってくれた
―全国大会のあいさつで、第一声でなにを言いましょう。
西村 いつも申しあげていることですが、観光が日本を救う産業であると本気で思っていて、そのことを言います。これからの大きな変化、その中でも観光産業の位置付けについて、まさにこれから中核を支えようとする青年部の世代を鼓舞し、ともに努力を続けようという声をかけたいと思います。人口減や高齢化による経済の縮小を補えるのが交流産業である観光です。交流が増えることで雇用が生まれ、定住人口が増えることにもつながります。それは地方創生を意味します。
同世代が、リアリティを感じるように自分ごととして話そうと思っています。私は1974年生まれで、大学を卒業するころまで経済は緩やかながら成長を続けていました。そして社会に出たあとは、まさに失われた20年です。これから我々が責任を負う時代の2020年代、2030年代のことを少し数字も使って説明するつもりです。
例えば日本の名目GDP、人口、高齢化率がどうだったかと言うと、私が生まれた74年、GDPは100兆円以下、人口1億1千万人で65歳以上が約8%でした。20数年後の97年はそれぞれ515兆円、1億2600万人、65歳以上は約15%、2018年は見込で555兆円、1億2600万人、65歳以上は約28%です。この間、リーマンショックや東日本大震災で、09年、11年、12年は名目GDPが500兆円を割りました。
では、私たちが次世代にバトンを渡している可能性もある2040年の日本社会、経済はどうなっているのか。GDPは分かりませんが、人口は1億1千万人で高齢化率は34%と予測されています。こうした大きな社会構造の変化が待っています。
(トラベルニュースat 18年10月25日号)
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