飛鳥Ⅲが就航 郵船クルーズ、クルーズ需要拡大に期待
日本船籍で最大級のクルーズ客船「飛鳥Ⅲ」が就航した。郵船クルーズは(西島裕司社長)が34年ぶりに投入する新造客船で、飛鳥Ⅱと合わせて2隻体制で日本のクルーズ市場をけん引する。7月11日には、船籍港となる横浜港大さん橋国際客船ターミナルに停泊中の飛鳥Ⅲ船内で命名式を開催、臨席した中野洋昌国土交通大臣は「2030年までに日本人のクルーズ人口100万人を目標としている」と話し、目標達成に弾みがつく飛鳥Ⅲの就航を歓迎した。命名式に合わせて、メディアや関係者には船内も公開された。
「クルーズ人口100万人」へ弾み
飛鳥Ⅲは全長230㍍、全幅29・8㍍で、総トン数は5万2265㌧。飛鳥Ⅱより1デッキ多い13デッキにレストラン、スパ、シアターなどが展開され、客室数は381室で最大740人を収容する。
7月11日は、世界1周クルーズを終えた飛鳥Ⅱも横浜港に寄港しており、飛鳥姉妹がそろい踏み。命名式に備え装飾された飛鳥Ⅲの船内を見学した。

命名式で航海の安全を祈って
シャンパンスプラッシュ
乗船してまず目を引くのは3層吹き抜けのアトリウム「アスカプラザ」。「お一人おひとりに“最幸の時間”を―」と標ぼうする船内へのアプローチにふさわしい設えで、人間国宝の室瀬和美さんによる高さ8・8㍍、幅3㍍の漆芸作品が壁面を彩る。船内には日本画家の平松礼二さんや千住博さん、洋画家の田村能里子さんら日本を代表する芸術家の作品、新進気鋭のアーティストの作品が至る所に展示され特別感を演出している。

3層吹き抜けのアトリウム「アスカプラザ」
客室はペントハウス、スイート、バルコニーの3クラスで全室バルコニー付き。専用バトラーが付くペントハウス6室から1人利用のソロバルコニー22室まで多彩な客室がそろう。
飛鳥Ⅲを建造したドイツ造船所マイヤーベルトの担当者も驚いたという、これぞ日本スタイルという存在が、船首に設けられた「グランドスパ」。露天風呂、展望サウナも併設し、船の針路を眺めながらの入浴は特別感があるだろうと想像した。
レストランは6カ所。飛鳥Ⅲのシグネチャーレストラン「ノブレス」ではモダンと伝統が融合したフランス料理、洋食と和食を提供するオールデイダイニング「フォーシーズン・ダイニングルーム」、割烹料理の「海彦」、厳選された食材を創作メニューで提供する「アルマーレ」など、毎日変わる自分好みの選択肢を用意した。日本の銘酒をそろえた「アンカーバー」などもある。
船内アトラクションも豊富…
(トラベルニュースat 2025年7月25日号暑中号)
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