ANTA近藤新体制が始動 二階氏は名誉会長に就く
一般社団法人全国旅行業協会(ANTA、5341会員)の2025年度第61回定時総会が6月25日、東京都千代田区の都市センターホテルで開かれた。32年間に渡ってANTAをけん引した二階俊博会長が退任し、新しい会長には近藤幸二副会長(岡山県・全観トラベルネットワーク)を選出。副会長3人も新しい顔ぶれになった。二階会長は名誉会長に就いた。
副会長は新任の村山、吉村、松嶋氏
冒頭あいさつした二階会長は「会長に就任したのはバブル経済崩壊後の1992年でした。関西国際空港も開港しておらず、インバウンドは現在の10分の1の367万人で観光立国も何も決まっていない状況でした。しかし33年の時を経て、観光業界は新型コロナ、東日本大震災などの大規模災害、9・11テロといった幾多の危機を乗り越え、国の重要な基幹産業へと成長、発展をしてまいりました。皆さんの日々の努力、熱心な取り組みのお陰です」と述べ、会長の任期をまっとうしたことに謝辞を述べた。
加えて「これから新たなリーダーのもとで未来に向かって歩むことになります。皆さんの一層の奮闘を心からお祈りします」と会員にエールを送った。

33年にわたり会長を務めた二階さんに花束贈呈
来賓としてあいさつした観光庁の平嶋隆司次長は、24年度のインバウンドの実績を紹介し「この良い流れをさらに確固たるものにすべく持続可能な観光の実現に向け3つ、インバウンドの地方誘客、持続可能な観光地域づくり、国内交流の拡大を強力に推進していきます。こうした政策の実現には、地域のことを熟知している旅行会社の役割が不可欠です」とし、第5次観光立国推進計画を作成していることを伝えた。
近藤新会長は就任のあいさつで「二階会長の下で6期12年副会長を務めました。それが今、私の大きな財産になっています。観光産業は、自動車産業の次に位置する日本の第2位まで発展しました。ただ、その中で我々旅行業の存在は薄くなってきている危機感を持っています。中小旅行業界の集団として英知を出してがんばっていきたい」と抱負を述べた…

懇親会の壇上に並んだ村山副会長、吉村副会長、
近藤会長、松嶋副会長(右から)
(トラベルニュースat 2025年7月10日号)
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