カルテルの疑いで警告 公取委、都内の大手ホテル15社に
公正取引委員会は5月8日、帝国ホテルやニュー・オータニ、ホテルオークラ東京などの大手ホテル運営事業者15社に対し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する恐れがある行為を行っていたとして警告を発した。15ホテルの中に会員がいたことから、一般社団法人日本ホテル協会と一般社団法人全日本ホテル連盟に対しても、今後同様な行為が行われることがないよう会員への周知徹底を要請した。
警告の対象になったのは、15社が運営する各ホテルで相互に毎月の客室稼働率、客室平均単価、販売可能な客室1室当たりの収益、将来の予約状況、将来の客室単価の設定方針などについて情報交換していたこと。
インバウンド需要で東京都内のホテル宿泊料金が高騰する中、本来は各社が自主的に決定するべき客室単価を共同で取り決め市場競争を制限する、いわゆるカルテルの疑いが持たれた。公取委は便乗値上げが不当に広がらないよう是正を求めた格好だ。また、日本ホテル協会と全日本ホテル連盟に対しても、独占禁止法遵守を会員に周知するよう要請した。
これに対し、日本ホテル協会は「今般、在京会員ホテルの一部が、公正取引委員会より警告を受けたことを重く受け止め、独占禁止法に違反するおそれのある情報交換を行わないことを徹底するよう会員ホテルに注意喚起します」とコメント。15社のうち帝国ホテルは「この度の警告を厳粛かつ真摯に受け止め、今後、さらに法令順守に取り組み、再発防止を徹底することで、皆さまからの信頼回復に努めてまいります」とした。
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