四国から世界の秘境へ 大歩危・祖谷いってみる会、大平新会長就任の抱負/愛媛
徳島県三好市の旅館ホテルで構成する一般社団法人大歩危・祖谷いってみる会(大平修司会長=峡谷の湯宿大歩危峡まんなか)は6月17日、新祖谷温泉のホテルかずら橋で「大歩危祖谷の未来を語る夕べ」を開催し、関係者50人が出席した。6月7日に開いた総会で役員体制を一新し、この日は新役員のお披露目会も兼ねた。
大平新会長は「至らない点ばかりなので植田元会長(植田佳宏さん=ホテル祖谷温泉)よりさらなるご支援を」と話し「100年後も美しい大歩危・祖谷であるために」と題し、これからの方向性や考えを伝えた。
理念として「美しい風景がいつまでも残り、そこに住む人々がいきいきと暮らすことができ、世界中の人々を魅了する場所であり続けること」を掲げ、世界レベルで通用する品質の保持や大歩危・祖谷温泉郷の地域ブランドの確立、美しい景観・豊かな自然を残していくことへの尽力、人と人のつながりを大切にし共生できる関係の構築などに取り組む考えを示した。また四国の秘境から世界の秘境として「世界に通用する観光地」を目指したいと話した。
2000年の設立以来24年間、会をけん引してきた植田前会長は「高知自動車道が開通することに危機感を持った宿5軒が地域を売ろうとスタートし、国内外で活動してきました」と、これまでの活動と経緯を語り、コロナ禍の影響もあってデジタル化の進展により世の中の仕組みが変わってきたと言及。「次の世代へバトンタッチしなくてはという思いになり、今年度から新会長をお任せすることに至りました」。
三好市の高井美穂市長は「世界に通用する観光地、過疎山間部で生き残れる地域として一緒に頑張りましょう」。観光庁元長官の田端浩さんは、同会発会20周年記念の冊子「人が紡ぐ観光地域づくり―百年後も美しい大歩危・祖谷であるために」を絶賛。「この本を読めば大歩危・祖谷いってみる会のこれまでの活動がわかるし、地域の観光地づくりをどのように取り組めばいいのかがわかります。大学や観光庁の若手の人たちに一読を進めています」と話し「植田前会長からバトンを受け継いだ大平新会長の応援団として活動したい」とエールを贈った。
このあと三好市池田町出身で四国ツーリズム創造機構の半井真司会長が乾杯の音頭を取って交流会がスタート。それぞれ「大歩危祖谷の未来」を語り合った。
同会の役員は次の通り(敬称略)。▽会長=大平修司▽副会長=谷口真理(新祖谷温泉かずら橋)▽事務局長=谷口栄司(新祖谷温泉かずら橋)▽監事=植田佳宏▽相談役=大平克之(峡谷の湯宿大歩危峡まんなか)
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