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【観光業界リーダー年頭所感】全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 会長 多田計介 氏

2021年の新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大と戦後最大の経済の落ち込み、観光産業を直撃する中での舵取り役はたいへん重い責任を担うと同時に、苦しい舵取りの一年でありました。まず改めて、今回の感染症でお亡くなりになられたすべての皆様に、心からの哀悼の意を捧げます。そして、新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける医療現場、保健所の皆さんをはじめ多くの方々の献身的な御努力のおかげで、今の私たちの暮らしがあります。深い敬意とともに、心からの感謝の意を表します。さらに、旅館ホテルの現場の皆さん、観光産業に携わる皆さん、その不屈の精神に幾度となく感動し励まされ続けております。心からお礼を申しあげます。

今年も新型コロナウイルスから年が明けました。全旅連としてこの状況・事態をどう乗り越えていくかから説明させていただきます。まず、ウィズコロナとアフターコロナの大きく2つに分けて整理をします。喫緊の課題はとりも直さずウィズコロナの対策です。

第1弾として新型コロナウイルス発生直後から、まず宿泊業界全体のことを思いました。具体的には、全旅連だけでなく他の宿泊団体に対して足並みを揃えようと声をかけました。そして「ひとりの仲間も減らさない」を合言葉に政府系金融機関に対する融資額や審査方法、民間金融機関への拡大、事業継続のための補助金(持続化給付金)、従業員の雇用を守るための雇用調整助成金の拡大支援などの要望書を国に提出しました。

第2弾として冷え込んだ需要を喚起するためにGo Toキャンペーンの原案となるクーポン券の発行を要請しました。このキャンペーンに対しては賛否両論がありますが、地域経済がまわって私たちが生き残るためには今も公助として最低限必要な支援だと思っています。なぜなら私たちは生き残るために必死で経営努力をしてきました。しかしながら観光産業にとって致命的なロックダウンが国内外で起こり、なす術もなくなったからであります。不条理の中で私たち業界は何よりも需要喚起という光がほしかったのであります。

第3弾として考えているのは支出を抑えることであります。具体的には政府系金融機関の特別貸付制度や利子補給制度のさらなる継続です。そして消費税、法人税、所得税など国税の納税猶予や固定資産税の納税猶予、減免。さらにGo Toトラベルの期間延長や新型コロナウイルス対応を踏まえた旅館業法の改正要望を続けております。

特に、金融支援制度について分かりにくいといった声も聞き及んでおりますので、相談窓口となるプラットフォームを開設します。

アフターコロナ対策としては、今回の経験を踏まえ、新たな感染症が発生した際の迅速な対応と有益情報の提供と申請支援を念頭に入れた構造改革に着手します。具体的には感染症予防、感染症発生時対応、再発防止、広報活動などについて整理してマニュアル化したいと思います。

また、災害時の要支援者受入に関する協定については、多くの都道府県組合と自治体との間で締結されておりますが、全組合での締結に向け推進をしてまいります。

最後にコロナ禍を経験して痛感するのは若い経営者の台頭であります。人口減少化社会の到来は様々な市場が縮小していきます。国内観光市場も例外ではありません。コロナで水をさされた格好になっているインバウンドも時間がかかるかもしれませんがいずれは復活するでしょう。なぜなら国外観光市場が拡大しなければ我が国の観光産業の未来がないからです。そして若い経営者はいずれ国境を超えたグローバルビジネスを展開することを期待しています。このコロナの影響で世代交代が着実に進んでいます。今まさに宿泊業は歴史の転換点にあると思っています。私たち世代の経営者は指導者から若い経営者をアシストする役割転換の時期に来ているのです。それに伴って全旅連の組織も変わる必要があります。そのためにはきっかけが必要です。コロナは国内観光客の本質的ニーズや旅行自体のありようについて見つめ直すきっかけも作ってくれました。

「人間万事塞翁が馬」ということわざがあります。私たちは深い谷に落ち込みました。しかし、これからは頂上を目指し登っていくのみです。そのためにも、全旅連が一つになり、最善を尽くしながら、ともに頑張りましょう。

最後になりましたが、本年が皆様にとりまして良き年になりますことを祈念いたしまして、ごあいさつといたします。

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