TikTokが人と“つながる”手段 鳥羽ビューホテル花真珠・女将とスタッフのチャレンジ(1) 「踊る」動画が話題に、集客に
笑顔での踊りに「癒し効果」か 今年3月で売上2割増
コロナ禍で苦戦を強いられている旅館ホテル業界で、短編動画投稿サイト「TikTok」を活用し、宿の魅力を発信し続けているのが三重県鳥羽市の鳥羽ビューホテル花真珠だ。現在総再生回数1千百万回を記録し、旅館業界におけるTikTokの火付け役として注目を集めている。
TikTokはSNSの一種で、日本国内だけでも1千万人ほどが利用している。長くても1分程度の動画を投稿するプラットフォーム。同じ動画のプラットフォームであるYouTubeに比べて簡単に作成、投稿できることから近年ユーザーが増加している。
鳥羽ビューホテル花真珠がTikTokに取り組むようになったのは今年2月から。コロナ禍で昨年12月以降、旅行会社への営業ができなくなるなど宿泊客が大幅に減少し、女将の迫間優子さんが苦境の中で集客方法を見い出そうとYouTubeやフェイスブックなどSNSに取り組んできた。でも、SNSの情報発信がなかなか集客に結びつかなかった。
そんな中で目をつけたのがTikTok。「たまたま踊りが好きでセミプロのようなスタッフがいたので、皆で踊っている動画を投稿してみようか」(迫間さん)と数人か話して挑戦。社長や女将、マネージャー、社員が総出で軽快に踊る動画をアップしてみた。
すると、再生回数がみるみる増え、たちまち話題に。新聞やテレビなどメディアにも取り上げられるまでになった。「コロナで大変なのに、皆さんで頑張っている姿を見て、楽しくなりました」など好意的な書き込みが多く、お菓子やジュースを送ってくる“励まし”もあったという。

コロナに負けず楽しく
踊りを披露してくれたスタッフ
迫間さんは「コロナで塞ぎこんだ生活を強いられているなかで、私や社長、社員が一丸となって笑顔で踊る姿に癒しの効果があったのではないでしょうか」と反響の大きさに驚くとともに、実際に「踊っている人に会いに来た」というお客さんが来てくれることにもっと驚いた。今年3月には売上が対前年116%に達したという。
(次の記事)TikTokが人と“つながる”手段 鳥羽ビューホテル花真珠・女将とスタッフのチャレンジ(2) 旅館業界の投稿ブーム火付け役
- 「どっぷり高知旅」―四万十に浸る時間(3) 四万十市観光協会が目指す組織像(25/01/31)
- 「どっぷり高知旅」―四万十に浸る時間(2) 四万十市観光協会、風土を味わう体験を商品化(25/01/31)
- 「どっぷり高知旅」―四万十に浸る時間(1) 4カ年のキャンペーンでいなか暮らし観光を提案(25/01/31)
- 【観光業界リーダー年頭所感】近畿案内所連合会 会長 安藤元量 氏(25/01/19)
- 【観光業界リーダー年頭所感】大阪直営案内所連絡協議会 幹事長 谷口昇 氏(25/01/19)
- 【観光業界リーダー年頭所感】協同組合和歌山県旅行業協会 理事長 青木査稚子 氏(25/01/18)
- 【観光業界リーダー年頭所感】株式会社滋賀県旅行業協会 代表取締役社長 北川宏 氏(25/01/18)