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“民の力”で迎えた市制100年・北海道小樽市(5) 「小樽ガラス」が紡ぐ歴史と未来−シンポジウム3

ホタテと融合しオリジナリティ

−物語を含めて小樽ガラスとしたらいいのかもしれません。会場からも発言いただきましょう。

会場 小樽の防波堤をつくる時に小樽の火山灰を使ったそうです。ガラスの素材の中に、小樽の土地のものを入れると色がこうなる、形がどうなるとか教えてください。

淺原 その土地の産物を入れてオリジナリティを出すのはなかなか難しい。異物をガラスに混入すると割れてしまうから。考え得ることはホタテの貝殻を混入し溶かし込むみ発色させることや、貝殻を細かくしてくっつける方法があります。それを小樽ガラスの特徴としてできれば、なかなか面白い。

高野 小樽のホタテのブランド化には私も関わっています。小樽は北前船の歴史もありニシンのまちという思い込みが強いのですが、かつてはホタテの一大産地でもありました。でも獲り過ぎて一旦途絶えてしまい、40年前に小樽市祝津の人たちが養殖化に成功し復活しました。そんなストーリーがあるホタテの貝殻とガラスを組み合わせて新しいものを生み出すことをもう少し考えてもいいかもしれませんね。

淺原 ホタテで明石焼きみたいな「オタ焼き」を作って、小樽のまち歩きの時に食べてもらう。貝殻はガラスで使ったらまさにSDGsやね。

小樽シンポジウム

小樽ガラスをテーマに開いたミニシンポジウム
(5月16日、オーセントホテル小樽で)

市民が自分事としブランド化

−今年小樽市は市制100周年です。淺原先生が小樽に来てまもなく半世紀。小樽ガラスをこれからどうしていくか大風呂敷を広げてください。

野田 これからを考えると人しかない。人を運ぶ船やホテルなど観光事業に紐づかないとアイデアが湧きません。一番大事なのは、ガラスと食と飲むことを一体化するよう取り組むこと。オール小樽ガラスのテーブルウェアを施したレストランの展開で、小樽に泊まって食事したいと思わせることが一つ。お皿に載るものは地産地消で、旅と食とガラスを人で結びつける取り組みをしていくことがホテルマンとしての矜持だと思っています。

高野 小樽は北前船や炭鉄港として日本遺産に認定されていますが、今「北海道の心臓」というストーリーも認定に向けて取り組んでいます。小樽ガラスもまさに地域遺産のストーリーであり、日本遺産に組み込まれる価値があります。小樽のいろいろな転換に関わっているのがガラスです。そういったことを市民が自分事として語れるようにすることが歴史学の役割です。市制100周年で今までやってきたことを自覚するいいタイミングだと思います。

淺原 運河のところにガラス張りのスカイウォークを作って、歩いて運河から海に抜けるようにして、そこに一面太陽の光を浴びたガラスの美術館があればきれいだろうなぁ。僕が生きている間に実現したらと思います。館内にはガラスのバーカウンターがあって、野田さんがシリンググラスをシュッと出す。いいじゃないですか、物語ができて。

−ありがとうございました。ぜひ、何か実現しましょう。

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