創業者の父から兄弟に託す 日本旅行企画の事業継承(2) 顧客の世代交代にも対応
理系の強みで兄を支える
―兄弟で経営となると仲違いとかの心配はありませんか。
瑛二 朝に出社してから帰るまでずっと一緒ですし、兄弟というより協力し合える同志といった感じです。小さいころから頑固親父という“共通の敵”と戦ってきましたから、兄弟の絆は強いですよ。
大志 兄を支えるために入社したので、あくまでも主導権は兄です。もめることはありません。

創業者の父、会長を挟んで
右が山根瑛二社長、左が大志常務
―今後の課題について教えてください。
瑛二 医師会関係のシェアを持っているといっても、若いお医者様は自分で旅行手配をするので、全体的なお医者様の数からするとまだ数パーセントのシェアです。高齢なお医者様もいますから、世代交代を見据えた取り組みも考えなくてはいけません。ネット販売が主流になっている時代ですので、それに負けないツアーを造成できる感性と情報を持つ必要性を実感しています。
大志 ドクターズツアーや富裕層のツアーでももっとも重視するのは食事と接客ですので、宿泊先選びには気をつかいます。特にお医者様は口が肥えていますので食事は最重要ポイントです。お医者様からの情報も参考にしながら情報収集し、引き出しを増やしていこうと思っています。
―最後に新社長としての抱負を。
瑛二 創業50年を迎えた会社を引き継ぎますが、会社を守るというよりも進歩させたい。80代の社長がワンマンでやってきたことで時代に合わなくなっているところは変えていき、大事なところは残していきたいと思っています。
一般企業の存続率は50年で0・7%、100年で0・07%なので、これからがきびしい戦いになりますが、常務と一緒にコロナ禍を乗り切れた経験は大きいと思っています。お互い間違っていることを言い合える関係を作り、社員の皆さんと一緒に日本旅行企画株式会社というワンチームとして、業績を伸ばしていきたいですね。
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