楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

講釈師、夕陽の中で喜ばれる 180度立場が変わるチャンス

12年ほど前の南青時代、某放送局の旅番組で兵庫県朝来市、雲海の竹田城跡を映像に収めようという仕事でした。当時は駆け出しで右も左も分かりません。撮影の開始から失敗の連続で、お昼ご飯も食べることができずに現場スタッフの雰囲気は最悪です。「この講談師使えない」という視線を浴びながら、ロケの最高潮、竹田城跡から僕が鎧兜(厚紙ですが)を身に纏った戦国武将になりきって夕陽を浴びながら締めのコメントの撮影―。

ところが、もっとも夕陽が綺麗に見える場所に一人のおじさんが座り…。「すみません。NHKの番組の撮影で少し場所を移動を願います」。「何でワシが退かなアカンねん! NHKがなんぼのもんやねん!」と、えらい剣幕で一向に動こうとしません。現場の空気は鉛のようになりました。ディレクターは「ロケの運びが下手くそなお前が時間押したせいやからな」。睨みつけられ僕は針のむしろです。

さらにそのおじさんは、鎧兜姿の僕の恰好を見て「大体な、このタレントの身に付けてるのは、大鎧と言うて、平安時代の鎧や。竹田城が存在してた時代には、もうこんなもん着てへんねん。NHKやったらそこらへんも勉強せい。ほんまに…あれ?ひょっとして?旭堂南青さん?」…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2019年10月10日号)

続きをご覧になりたい方は本紙をご購読ください
この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
海と生き海を守る三重鳥羽の旅

鳥羽市の基幹産業である漁業、観光業が連携を図り、漁業者と観光事業者が抱える課題を出し合って...

蒙古襲来750年・歴史とロマンを感じる長崎県壱岐・松浦

時は鎌倉、大陸から元が日本へ侵攻した一度目の蒙古襲来(元寇:文永の役)から今年で750年。...

個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ