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講釈師が語る一休さん十一 天下一品の茶碗を叩きつけ

「像外よ、お主茶道は?」「たしなむ程度でございます」「ならば近々、安国寺へ参り、茶の馳走になりたい。それまでに将軍家の茶道を預ける。其の中には世に二つとない天下一品の茶碗。銘は岩清水。これなる器で茶を振舞うてくれ」「畏れ多いことでございます」

此の話があっという間に寺の小坊主達に知れ渡り
「おい」「なんだ?」「周建が、将軍様に大層褒められ、褒美も頂いたそうだ」「大した奴だ!」「また近々殿様の御一行が寺のお茶会へお出でになり、和尚様がお手前を披露されるのじゃ」「将軍様が大切にされている茶碗も預かった筈だ。世に二つと無い、天下一品の茶碗。確か銘が…」「北極星二型か?」「そんな物騒な銘ではない。それは違う国の将軍様だ」「分かった、石清水の茶碗だ!」「そうだ! なんでも茶会の当日に用いるので和尚様も丁重に扱われておる」「確か今和尚はおらんな?ということは。今ならば世に二つと無い天下一品の代物を拝む事が出来よう」「お前!良い考えじゃないか!いつも御本尊だけでは堅苦しくて仕方ない。よし観に行こう」

小坊主たちが抜き足差し足忍び足和尚の部屋から勝手に取り出した、桐の箱、蓋を取れば真綿を敷き詰めて茶碗が納められている
「これがそうか!」「私も見せてくれ!」「順番だ」「どの順番にする?」「背の順番にしよう」「皆同じようなもんではないか」「減るものじゃない、見せてくれ」「慌てるな、茶碗は逃げはしない」「いいや和尚様が帰ってくる前に」…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2021年2月10日号)

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