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講釈師が語る一休さんの十七 華叟和尚の弟子に…門前払い

嵯峨野のあばら家へ戻って参りました宗純。母親と対面致しますと

「貴方が七日間、石山寺に篭り悟りを開こうとしたが開けぬので、琵琶湖に身を投げようとしたことを只今、下男の七兵衛から聞きました。それが真実であれば、どうも得心のならぬことがあります。お釈迦様が悟りを開く為に難行、苦行をなさったのは、七日でしたか? 達磨大師が壁に向かって座禅したのは九日でしたか? あの様な尊い方でさえ難行苦行をし尽くされて、ようやく悟りを開かれたのではないですか? たった七日で悟れなかったと言って、身を投げようとしたのは、如何にも志が弱く立派な僧になるのは難しいように思われ、私は口惜しくてなりません」

涙ながらの話、宗純は心から頭を下げて「私が間違っておりました、今の言葉を忘れること無く、修行を致します」

其の晩は寝間で横たわりながら、ふと思い出した事がある。「謙翁和尚が息を引き取る前、何かあれば、堅田の禅興庵の華叟(かそう)和尚を尋ねよと仰っていた。尋ねてみよう」。

翌日、堅田へ向かい道行く人に言われた通りにやってくると禅興庵(現在の祥瑞寺)の山門に門人と思しき者がおりましたので、「お頼み申します」「何か御用で…? お前は?周建ではないのか?」「貴方は?」「安国寺でお前の兄弟子であった。鉄梅じゃ」「あ!」。宗純はこの兄弟子のことがあまり得意ではなかった。鉄梅は昔から損得勘定ばかりで、要領の良い修行を好んでおりましたので、宗純とは意見が合わないことが多かった…

(旭堂南龍=講談師)

(トラベルニュースat 2021年9月10日号)

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