楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

Go Toトラベル 地域全体の経済波及効果が本来の目的

10月からGo Toトラベルに東京都が適用されたことで、予想通り利用者が急増しています。事業がスタートした7月15日から9月までの約2カ月の利用人泊数は1689万人泊でした。その後、10月15日には3138万人泊となり、約1カ月でほぼ倍増しています。10月末には3976万人泊と発表され、たった2週間で838万人泊も利用者が増えました。この増加分に関しては、東京都適用の上乗せ分が大きく影響しているのは間違いありません。

日本の人口比で約3人に1人がGo Toトラベルを利用しているにも関わらず、この期間中にGo Toトラベルが原因でCOVID19に感染したのは136人です。旅行者の感染リスクを日常生活の10倍にしたとしても、移動による感染数としては多くはありません。

現在、各地で陽性者が増加傾向となり、旅行者による感染拡大が懸念されていますが、政府はGo Toトラベルを中止する方向には転じていません。それどころか、公明党からの要請を受け、Go Toトラベルを来年のゴールデンウイークまで引き延ばすことを検討するなど、さらに推進しようとしています。

しかし一方では、ビジネス利用の制限や7泊までの宿泊数の制限の導入など、何か問題が起きるたびに場当たり的なルール変更を繰り返してもいます。今回の制限に関しては、政府が推奨しているナイトタイムエコノミーやワーケーションの自己否定でもあります。

そもそもすべてのGoToキャンペーンの成果目標である「新型コロナウイルスの影響を受けた地域における需要喚起と地域の再活性化を目指す(令和2年度観光庁関係補正予算からの引用)」ことが最重要ならば、状況に合わせた制度変更はあったとしてもここまで矛盾するような事態にはならなかったはずです…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2020年11月25日号)

続きをご覧になりたい方は本紙をご購読ください
この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

個性全開、輝き増す山陰紀行・鳥取東部三朝編

「蟹取県」「星取県」に続き、辰年の今年は「とっとリュウ県」―。県の形が龍に見える?ことから...

「光る君へ」稀代の女流作家の足跡求め・滋賀大津

後世に深く濃く語り継がれる名作を描いた女流作家は、混沌とする世の中を、愛を持って駆け抜けた...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ