高級和風旅館の時代
昭和最後・平成最初の1989年までの10年間、温泉観光地旅館の宿泊客売上構造が様変わりしている。
TMC時代最後のアンケート調査によれば89年の「宿泊客売上に占める宿泊料売上(1泊2食付)の割合60%以上」の旅館が81%にのぼっているが、10年前の79年(昭和54年)は、それがわずか25%であった。当時は「宿泊料」と「その他売上」を半々にという目標設定の旅館が多かったが、その後客室、大浴場(特に女子用)、露天風呂、コンベンションホール(朝食会場兼)、中小宴会場、料亭、ロビーと、旅館の設備投資が1泊2食宿泊料に対応する部分に集中されてきたことが、その変化の原因の第一。第二は、サービス料15%を10%に変更した旅館が多く、その結果サービス料が減少して宿泊料が増加したこと。加賀屋の新館・能登渚亭をはじめ、山代・百万石梅鉢亭、稲取・銀水荘、舘山寺・九重、長島・花水木、秋保・佐勘など高級和風新館ブームである。
93年の国際観光施設協会創立40周年記念出版図書「最近10年の観光界と21世紀への展望」に、「最近10年の旅館」のテーマで、これらを含み11ページ執筆した。
1993年は結婚25年目。ナイアガラ瀑布に行きたかったので、5月1日の遊覧船運航初日に合わせたGWに、2人の娘と家族4人での唯一の海外旅行が、カナダへの銀婚記念旅行。トロント、バンフ、バンクーバーに各2泊した。
94―95年に日観協(日本観光協会)を通して、千葉県観光協会の「千葉県の宿泊施設に関する観光診断調査」を行った…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2023年3月10日号)
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