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クルーズ旅行の販売 北米市場は旅行業者が開拓

クルーズを楽しむ人の数をクルーズ人口と呼びます。世界では3170万人となり、産業規模は32兆円余りに上っています。北米のクルーズ人口は1810万人、続いて欧州が820万人となっています。

一方、アジアのマーケットはコロナ禍からの回復が遅れており、コロナ前より40%余りも減ったまま状態です。それでも、中国のマーケットは新造船の投入もあって回復基調。コロナ前に35万人にまで達した日本も、20万人弱にまで回復しました。新しく「ミツイ・オーシャン・フジ」、そして「飛鳥Ⅲ」の2隻が加わって供給量は大きく増えました。

さて、現在、世界的な規模にまで成長した現代クルーズは、かつては富裕層だけのレジャーであったクルーズを一般大衆が気軽に楽しめるものに大転換したことによって世界中で広く受け入れられるようになりました。その発展の陰には、北米各地の旅行業者の役割が極めて大きかったと言われています。当初はクルーズ発着港であるフロリダ州のマイアミ周辺のマーケットに限られていたのを、北米全土に広げた立役者は各地のクルーズ専門の旅行業者であったといいます。特に、クルーズだけを扱う小さな旅行業者が、全米各地において、それぞれの地元のクルーズマーケットを開拓しました。各クルーズ会社も、最終的な顧客はもちろん乗客ですが、経営戦略上の最重要顧客は、こうした旅行社だとして、大事に扱うとともに、その教育にも力を注ぎました。

一般的な陸上の旅行では、移動のための交通、宿泊、飲食、観光などからなっており、それぞれに手配が必要です。それを旅行業者がまとめて消費者に提供するのがパックツアーですが、クルーズはそもそもがパックツアーの分類に入ります。

さらにアメリカでは、クルーズ発着港までの飛行機まで含めた商品としてクルーズが販売され、旅行業者はクルーズ会社に電話を一本かけるだけですべての手配ができました…

(池田良穂=大阪府立大学名誉教授・客員教授)

(トラベルニュースat 2025年5月10日号)

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