BIA設立に貢献
京都の冠婚葬祭評論家で、茶道家でも著名な塩月弥栄子さんの情熱を柱に94年に設立された任意法人が、ブライダルコーディネーター養成の社団法人に認められたのは95年(略称BIA。現公益社団法人日本ブライダル文化振興協会)。
私もブライダル業界の公共法人設立には賛成だったので、協力を惜しまなかった。会員集めには結婚式場エージェントの草分けで西日本最大手のコンパル大西社長が先頭で努力されていたが、首都圏のエージェントでは東プロ(東京プロデュース婚礼センター)が抜群の存在だったので、複数の大手ホテルが「東プロの鈴木社長が会員にならないと入らない」、またホテル業界内部間でも「帝国さんが入会しないと」と入会が順調に進まない。
では私が、と親しい鈴木東プロ社長に入会してもらい、帝国ホテルも管理職に話して入会。社団法人になるための市場調査報告書作成にはコンサル会社が入り、私もお手伝いした。専務理事の野田さんとは同い年ですぐ親しくなり、最初は原宿、そして社団法人になってからの浜松町の事務局には頻繁に通い、夜は、ほぼ毎回居酒屋(現在の事務局は東京駅八重洲口)。
私は、専門式場の経営者やホテル管理職が中心の調査研究部に所属。後にホテルオークラ東京社長になる清原さん、後年には帝国ホテル社長になる定保さんも一緒だった。
BIA設立を契機に当時の通産省(現・経済産業省)も婚礼への関心を高め、指定統計調査「特定サービス産業実態調査」の調査対象業種に翌96年、初めて結婚式場業が組み入れられた。その際、事前に調査項目案を説明に経産省の担当者が調査研究委に。誰一人質問せず、私が追加・修正を提案し、その案が通った…
(佐藤陸雄=元リーコ代表取締役)
(トラベルニュースat 2023年10月10日号)
- 私の経営診断(23/11/15)
- ブライダル業界との縁(23/09/14)
- ヨーロッパにみるヒント(23/07/14)
- 女性添乗員と女将の共通点(23/06/15)
- 欧州観光余暇行政調査団を終えて(23/05/15)
- 「明日の旅館への道標」(23/04/17)
- 高級和風旅館の時代(23/03/15)