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ガストロノミーツーリズム定着へ 大阪府阪南市、食資源の魅力アピール

24/03/07

大阪府阪南市は1月17日、大阪市浪速区の健康スタジオ&レストランWAKU WAKU PARKS WAKUPAKUで「阪南 食の魅力を伝える」フォーラムを開いた。大阪湾で初めて養殖に成功した牡蠣、大阪府で最古の酒蔵、黒毛和牛など豊富な食資源を核にガストロノミーツーリズムを展開している同市の取り組みや潜在的な魅力を伝えた。

はじめに水野謙二阪南市長が「万博を来年に控え、BIEの委員に出した食事が阪南の『なにわの黒牛』です。G20でもっとも多く食べられたのも『なにわの黒牛』です。食の都・大阪を世界に発信するため、世界が泉州・阪南市を注目しています」と話した。

基調講演した京都外国語大学の吉兼秀夫特任教授は「阪南市をまるごと食ミュージアムとしてコア(阪南フードコート)、サテライト(店、畑、工場、商店など)をつなぐ。食発見の小径(食街道)が観光ルートになる。食べ物は観光にとって重要な要素。食のオープンファクトリー阪南を目指そう」と呼びかけ、関西国際空港から帰国するインバウンド客に阪南市へ寄ってもらう仕掛けづくりを期待した。

続いて行われたパネルディスカッションでは、阪南市で牡蠣の養殖を行っている漁師鮮度の岩井克巳さんが「阪南市はバブルから取り残されたまちだからこそ、残ったものがある。今あるものを自分たちの資源、強みとしてやっていかなければならない」と話し、牡蠣小屋を地域のプラットフォームとして農業と連携した体験プログラムを紹介した。

阪南食の魅力を伝えるフォーラム

パネルディスカッションで

大阪産の食材を用いた居酒屋などを経営するティケイ企画の今井豊さんは「観光と食は両輪。外国人観光客はウェブの使い方がうまい。彼らが発信していくことで、大阪の食の魅力を伝えている。大阪南部に食べて泊まれるところ作りたい」と、豊かな食材を生かして消費につながる場づくりの必要性を説いた。

ドラマなどで料理指導を行っているKichoごちそうプロデューサーの広里貴子さんは「もともとあるものを一工夫して提供するかが大事。地元の方が喜ばないと集客につながらない」。料理のワークショップを開催することを提案した。

インバウンド誘致を手掛けるジェイ・リンクスの金馬あゆみさんは「完璧な外国語でなくていいので、食品表示は大事だ。お土産として購入するにも慎重になる。まずは外国人観光客と接点を持つこと。留学生や航空会社にアプローチしてほしい」と話し、外国人観光客誘致に具体的なアドバイスを行った。

パネルディスカッションを聞いて水野市長は「緑茶の最後の雫をゴールデンドロップと言うそうだが、阪南市は日本の最後のゴールデンドロップ・シティを目指す」と応じていた。

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