分散型まちづくり進む奈良県御所市の魅力― 日本旅行社員が見学
奈良県御所市で官民連携の「泊・食・湯」分離の分散型まちづくり事業が進む。かつてまちの人たちが親しんでいた銭湯「宝湯」の再生を中心に、4つの古民家をリノベーションしてホテルやレストランに改築。第1期事業として、御所のまちに滞在拠点をつくる。
同事業を中心的に推進しているのは、奈良市や御所市に本社を置くNOTO奈良(大久保泰佑社長)と油長酒造(山本長兵衛蔵主)、フェニックス(中野裕太社長)の3社が設立したまちづくり会社、株式会社御所まちづくり。このほど同社や市の招きで日本旅行の平田進也さんを中心に同社社員が現地を視察した。
視察したのは事業の中心で、現在改修が進めている古民家。モリソン万年筆カフェ(谷川邸)西側の宿泊施設、旧吉川自転車店(吉川邸)の宿泊施設とレンタサイクル店、鴨口の三軒長屋の桜茶屋(宿泊と食事処)、旧小原たばこ店(赤塚邸)のレストランとバー、ジェラートのテイクアウト店など。宝湯も見学した。
また、現存する280年前の検地地図を片手に市内をめぐった。修験道の開祖といわれる役行者の生誕地と伝わる吉祥草寺を訪れたあと、神武天皇社や三光丸クスリ資料館、名柄のまちなみにある梅本とうふ店、片上醤油、一言主神社、九品寺なども見て回った。
平田さんは「様々な魅力を持つ素晴らしいまちだ」と評価していた。
御所駅前で旅行業店舗を構え、まちづくりにも深くかかわるサンキュー観光の中島昭人社長は「御所まちは歴史的価値の高い町家が数多く残る貴重なエリアですが、それをうまく活用できませんでした。まちづくり会社とともに多くのお客様に御所まちに来ていただき、泊まって食事をし、滞在していただきたい。旅行業の役割も大きいと思っています」と話している。
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