コロナ:小笠原諸島への乗船客PCR検査、当日から事前制に変更
小笠原諸島への来島者を対象に実施しているPCR検査について、東京都は9月1日の東京・竹芝出航便から、検査を乗船日当日ではなく、前日以前に実施する方法に変更し、乗船前に検査結果が分かるようにする。
東京から小笠原諸島までは約1000キロの距離。定期空路はなく、約6日に1便の「おがさわら丸」(竹芝-小笠原諸島・父島)が唯一の交通手段で、乗船時間は24時間に及ぶ。そのため東京都と国立国際医療研究センター、小笠原海運などは船内と、小笠原諸島のコロナウイルス感染拡大を防止するため、8月11日から「おがさわら丸」の6歳以上の乗客を対象に、無料で唾液を用いたPCR検査を開始している。
ただ、出港前に竹芝客船ターミナルでPCR検査を行うため、乗船前に検査結果を確認できない。乗船客に陽性結果が出た場合は、客船や小笠原村に連絡し、陽性反応者の船内隔離を行うほか、父島到着後に自衛隊機で本土へ搬送することにしていた。
9月1日の便からは、乗船予定者には事前にPCR検査用の検体採取キットを送付し、各自で唾液を採取してもらう。採取した検体は出航日の前々日か前日に乗船場所となる竹芝客船ターミナルに提出してもらう。乗船前に結果が分かる仕組みになる。
おがさわら丸の乗船客を対象にしたPCR検査は、これまでに8月11日と18日に行われた。
11日は乗船客399人のうち6歳以上の検査対象者は383人で、このうち315人が検査を受けた。18日は乗船客411人で検査対象者は389人、このうち343人が検査を受けている。これまでに陽性者はいなかった。
東京都総務局行政部振興企画課では「検査は義務ではなく、協力をお願いする形で実施しています。前日、前々日の検体の提出でご不便をかけますが、ご協力をお願いします」と水際対策に理解を求めている。
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