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人手不足と外国人人材の活用 JKKが大阪で定例会議と勉強会

25/10/21

全旅連女性経営者の会(JKK、山田佐知会長=ほてるISAGO神戸)は10月1日、大阪市淀川区のホテルプラザオーサカで2025・26年度の第2回定例会議と勉強会を開いた。勉強会では人手不足や外国人人材の活用など、宿泊産業が直面する課題について学んだ。

旅のチカラで地域の課題解決 おてつたび

勉強会ではまず、おてつたび代表取締役CEOの永岡里菜さんが「誰かにとって特別な地域を創出する」をミッションに掲げて2018年7月に創業した自社の取り組みについて話した。

永岡さんは「今まで以上に人手不足は深刻になり、様々な業種で事業の継続が難しくなる恐れがあります」とし、しわ寄せは地方で顕著になると指摘。「地域こそが日本の魅力。一人何役もこなして地域を支える仕組みができないだろうか」と構想し「旅のチカラを借りて人材プラットフォームをつくる」というおてつたびを創業した。

永岡里菜さん

おてつたびの活用をJKK会員に勧めた永岡さん

おてつたびは、人手不足に悩む地域の事業者と、その地域に行ってみたい人をウェブ上でマッチング。地域までの交通費は本人持ちだが、最低賃金以上の時給で臨時雇用するというもの。雇用期間は2カ月未満で事業者が自由に設定できる(平均で2週間前後)。その間、自らの労働力を提供するほか、地域の人たちとの触れ合いや観光も楽しめるという。

永岡さんは「募集を出すとすぐに応募があります。旅の魅力を動機づけにして賃金、期間、仕事内容を柔軟に設定できます。サイトにレビュー(感想等)を書き込むことを推奨し、その蓄積が参加者の引き継ぎを促し長期間の人員確保も実現できます」とし、地域の人口動態に依存しない人材確保の手段だと強調。

「地域の人たちと一緒に仕事をする尊い経験ですし、地域の宣伝マンになって労働だけにとどまらない関係になっています」とも述べ、おてつたびは「人手不足を地域との出会いに変え、地域のファンを増やし、地域消費にもつなげられる」などと語った。

47都道府県約2千事業者が募集したことがあり、登録ユーザーは8万4千人に及ぶという。ワーキングホリデーのビザを取得している外国人もいるそうだ。宿泊産業では、人材派遣からおてつたびに転換し人件費を5割削減した施設や、外国語が話せるスキルを生かしインバウンド対応、季節変動制が高い施設では二拠点居住で都市部の料理人に手伝ってもらっている事例もある。ちなみにマッチングに成功した場合の手数料は総報酬の25%だという。

次いで、プラザオーサカ取締役の菅原真太郎さんが講演…

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