自粛から粛々とリスタート
10都道府県で発令されていた緊急事態宣言が6月20日、沖縄を除く9都道府県で解除された。21日から北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県では「まん延防止等重点措置」に移行した。気分的にいくらか軽くなり、周囲の雰囲気も少し変わったように思う。
それを「緩み」といって諫められるのはわからなくもない。ただ、一年以上この状況に置かれてきた多くの国民はどう振る舞えばいいのかは大体察しがつく。特に観光業界は、飲酒と同様に感染源のような扱いを受けてきたことで「安心安全な旅」の確立に注力してきた。ひと月あまりのイベントと違って、この先もずっと続く生業だからだ。
一部でGo Toトラベルキャンペーンの再開を期待する声が早くも挙がるが、一方で「せっかく旅行に出かけてもいい雰囲気を大切にしたい。Go Toトラベルはコロナウイルスをまん延させる悪の権化になってしまった。違った形で我々の支援策を考えてほしい」という声も聞く。
大手旅行会社が出すツアーの新聞広告は7月からの出発分の反響が大きく、中小旅行会社も少しずつ顧客の動きが出てきたという。徹底した感染症対策を実施しながら、自粛の世から粛々と「安心安全な旅」を提供するリスタートをしよう。業界挙げて前向きに進みたい。
(トラベルニュースat 21年6月25日号)
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