地元商店と一緒に誘客
温泉地や観光地を団体客が賑わせていた時代、旅館ホテルは観光客が館内から出ないように土産処や飲食店を設け、館内消費に注力していた。結果、地元商店は旅館ホテルに対し「自分だけが儲けに走って」と冷ややかな眼差しを送っていた。
団体客が主でなくなった今、これまで温泉地や観光地の施策やプロモーションを主導してきた旅館ホテルではなく、地域の商店や地域住民を巻き込むケースが増え、地域が一体となって行うケースが増えた。
例えば石川県の山代温泉は、2025年に開湯1300年を迎え、対外的なPRよりも地域に目を向け、商店と一緒になって地域を盛り上げていくため、商店で働く人たちをポスターなどで紹介。山代温泉で働く人の店、人をクローズアップして地域の魅力を訴求している。岐阜県の下呂温泉でも観光客の誘致の目的は「地域に住む人たちが幸せに暮らすため」と明確なビジョンを掲げて取り組みを行う。愛媛県の道後温泉も商店街の魅力が道後の魅力とアピールする。
温泉・観光地の地域力は、これまで埋もれていた素材の掘り起こしいち早く対応することだが、地域内の連携が確立されていないとできないことだ。一旅館ではなく温泉地間の「魅力あるある合戦」に乗り遅れないようにしたい。
(トラベルニュースat 25年11月25日号)
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