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温泉文化の再認識を

23/07/12

近年のサウナ人気の高まりや国の助成金制度などから、サウナを新設する旅館ホテルが増加している。本場のフィンランドでは生活の一部に深くサウナが根付いている。人口550万人に対して300万カ所あるほどで、彼らにとってサウナはリラックスするだけではなく、社交の場であり、新しい文化を育む大事な存在として位置づけられている。

我が国でフィンランドのサウナ文化に匹敵するのは温泉文化だろう。群馬県の知事らでつくる協議会が昨年11月から日本の温泉文化をユネスコ無形文化遺産への登録を目指す活動を始め、5月に岸田総理へ要望書を提出。観光関連団体も6月、公明党観光立国推進議員懇話会へ要望書を提出した。

先日ある会合で温泉の無形文化遺産登録をテーマにしたシンポジウムが開かれたが「登録することが目的化していないか」「豊富な温泉資源が日本の文化を生み出してきた。そのことを国民が共有しなければ、登録する意味がない」などの意見が出ていた。若年層を中心に温泉大浴場が敬遠され“裸の付き合い”が死語になりつつある今、政治家や観光関係団体のトップダウンではなく、多様な温泉の楽しみ方を享受できることがこの国の温泉であると国民が思ってこそ、世界に誇る文化として胸を張って登録を目指したい。

(トラベルニュースat 23年7月10日号)

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