旅館業を本音で語る「7人の若女将」 山本能楽堂で座談会(2) 会いたい女将を目指す
―石橋さんは最近ブログを始めて大阪、日本も盛り上げていくとか。
石橋 もともとこの仕事に就く予定ではなかったんですが、始めて5年が経ちました。昨年弟が帰ってきて一緒にブログをやっています。また月に1、2回、インバウンドの方を中心に無料で習字体験や着付け、折り紙教室などをしています。
―柏木さんは定期的にコンサートもやられていて、元気と笑顔と感動を届けるおもてなしの達人になりたいと。
柏木 ステージが旅館に変わっても、皆さんに元気を届けたいという志は同じです。朝から寝る直前までお掃除、お皿洗いなどいろんな仕事をさせていただき2、3年経った時にお客様からリクエストがあって歌ってみました。すごく喜んでくださって、それでラウンジコンサートなどオリジナルのおもてなしをやるようになりました。
―庄司さんは星野リゾートに勤めていたとか。
庄司 英語を学ぼうと大分別府の立命館アジア太平洋大学に通い、講義が終わると温泉に繰り出していました。そこで宿に興味を持ち、海外の方をおもてなししたいという夢ができ星野に就職しました。そこにたまたま若旦那がいて、たまたま結婚するという流れで。
―谷口さんは結婚直後、集中豪雨で旅館2階までが土砂に埋もれてしまった。ご主人と大阪で暮らすつもりが、新婚早々土砂の片付けをすることに…。
谷口 土砂を運んで、はき出す。1カ月間そうしていました。いつも思うんですが、中途半端に田舎よりも、祖谷ぐらい何もない方がかえっていいですね(笑)。
―迫間さんは「OKAMI」を世界語にしたいと取り組んでいます。地域の女性が集まる会も作っているとか。
迫間 「女将」を世界に発信したいと5年ぐらい事業をしています。一方で、地域の事業者とコラボしています。旅館組合と女将会と漁協で朝食用の海苔を発売しました。海苔だけでも食べに来ていただく価値があるかなと。
―原さんは女将ブログで毎回ほぼ1位です。生活すべてをさらけ出す感じを受けます。
原 表面上のことだけではなく内面の、人間の少し弱い部分に共感いただき、励ましの声をよくもらえます。それが励みになって、さらにがんばれるのかなと思います。「女将さんに会いに来てもらいたい」という気持ちも持っていて、知らない土地に知っている人がいれば安心して旅行ができるかな、と。私たち女将が「知っている人」になれたらと思って発信しています。
―老舗旅館に嫁いで20数年。ご主人から「自営業だから毎年海外旅行に行けるよ」と甘い言葉を囁かれたとか。
利光 だまされました(笑)。苦労もあったんですが、主人と添い遂げたいと思い結婚したわけで、だまされはしましたが、これから頑張って連れて行ってもらおうと思っています。
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