楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

旅館業を本音で語る「7人の若女将」 山本能楽堂で座談会(3) 地域団結でインバウンド誘致

―インバウンドについて伺います。石橋さんは、お父さんが「旅館は2つのⅠが必要」で、インバウンドとITがないとこれからは厳しいと話しています。

石橋 インバウンドは10年少し前から取り組み始めたと聞いています。アジアからが多く、ほとんど海外の旅行予約サイトからです。

柏木 昨年、飯能にムーミンバレーパークがオープンし、世界中から多くの人に来ていただけるようになりました。自然が多い飯能とフィンランドの雰囲気が似ているらしく、市の取り組みもあって、拡大してきています。

庄司 わざわざ庄内に来ていただくには、地域の人とのコミュニケーションを売り出すプランをつくっていきたいと思い、伝統文化の神楽を見て踊るアクティビティで一歩踏み込んだおもてなしをしていければと。

谷口 自社だけを伸ばすのではなく、エリア全体で取り組んでいます。地域の中で目標、ターゲットを決めて、地道にやり続けて2万人まで集客を伸ばしてきました。自分たちの中でイメージを明確に決めて営業していくというのが成功している要因かなと思います。

谷口真理さん

谷口 真理さん
徳島県三好市
ホテルかずら橋

迫間 鳥羽にインバウンドがなかなか増えない理由が、真理さんの話を聞いてよく分かりました。まずターゲットが絞れていない。10月にフランスへ市長や市民が行ったのですが、成果が見えにくいのと、なぜフランスなのかという意見もあるなど一致団結していません。由衣ちゃんのお父さんがおっしゃる「Ⅰ」が大事になるというのはひしひしと伝わってきました。

 住むところと食事を出せば、働く交換条件でマッチングする「ヘルペックス」というサイトがあります。これからインバウンドに力を入れてく気持ちで、まずはうちのスタッフのおっちゃん、おばちゃんに、慣れてもらおうと一昨年から始めました。2年間で約60人が来ました。一番多いのはフランス人。働きながら、空いた時間に熊野古道を歩いていますね。

原のどかさん

原 のどかさん
和歌山県白浜町
おんせん民宿望海

利光 20室の小さな旅館でインバウンドはほとんどない状況です。関空からアクセスがいいので積極的にやればいいんでしょうが。富裕層の方がネットで直接予約して来られますね。

(次の記事)旅館業を本音で語る「7人の若女将」 山本能楽堂で座談会(4) 土日休みで若い人確保
(前の記事)旅館業を本音で語る「7人の若女将」 山本能楽堂で座談会(2) 会いたい女将を目指す

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
「光る君へ」稀代の女流作家の足跡求め・滋賀大津

後世に深く濃く語り継がれる名作を描いた女流作家は、混沌とする世の中を、愛を持って駆け抜けた...

和歌山龍神に輝く夕夜景

大阪の中心部から車で約2時間、南紀白浜空港から1時間ほどの距離に位置する和歌山県田辺市龍神...

サステナブルアイランド四国への誘い・愛媛編

四国が進める観光のテーマは「持続可能」だ。社会全体のテーマとしてもはや中心に座りつつあるサ...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ