駅係員が視覚障がい者と勉強会 JR西日本、草津駅で実践的な体験研修
西日本旅客鉄道(JR西日本)は4月6日、日本ケアフィット共育機構と関西盲導犬協会などの協力を得て、草津駅で駅係員と視覚障がい者が「声かけ・手引き」について学ぶ合同勉強会を開いた。
勉強会は今回で3回目。駅係員や視覚障がい者ら関係者を含めて約80人が参加した。視覚障がい者への対応の基本、緊急時の対応、駅での実習、ディスカッションなど熱心に取り組んだ。
午前は「駅係員向け事前研修」を実施。日本ケアフィット共育機構、関西盲導犬協会のスタッフから、盲導犬・白杖ユーザーが駅構内を歩行する際の注意点や転落防止・緊急時の対応などの講義を受け実習体験をした。
午後の研修は、駅係員が駅で実際に視覚障がい者に「声かけ・手引き」をするという内容。ホームの構造や、点字ブロックと線路までの距離を確認し、転落防止・緊急対応時の訓練では「白杖の人、止まれ!」という声かけがポイント。実践的な体験が初めての駅係員も多く、最初は遠慮がちだったが、大きな声で呼べるようになると、視覚障がい者からは「そのくらい大きな声で呼んでくれるとわかりやすい」「今みたいに身を挺して止めてくれるとありがたい」と声がかけられた。
また、視覚障がい者が実際に線路に降りてみる体験もあり、敷石やレールがあり、かなり歩きづらいことや、ホームを手で触って確認し、その高さに驚いた様子だった。

ホーム上で、盲導犬・白杖ユーザーを
手引き誘導する係員
そして最終がディスカッション。駅係員と視覚障がい者が相互の思いや疑問、困りごとなどを話し合い、お互いの理解を深めていった。
JR西日本は、視覚に障がいがある利用客に鉄道を安心して利用してもらえるように「サービス介助士」の資格取得を進めると同時に、研修や勉強会を実施し、介助技術やマインドの醸成に努めており、今回の研修もその一環。
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