観光教育で担い手養成を 旅行ライター山本純二さん、長野県関係者に訴え
長野デザインセンター(小島和人社長)がメディア・マスコミ関係者を呼んで毎年開催している「白い休日信州・奥信越セミナー」が10月2日、大阪市内のホテルで開かれた。
関西で著名なラジオパーソナリティーらが出席するもので37回目を迎える恒例行事。地元からも行政の観光担当者や宿泊施設関係者らが出席した。
セミナーは2部構成。はじめに地元関係者を対象にした講演会が行われた。講師は、朝日放送ABCラジオで旅行情報番組にレギュラー出演している旅行ライターの山本純二さん。山本さんは、商業高校で観光ビジネスが教科として導入が進むなか「地域における観光教育のあり方」と題して話した。
その中で、山本さんは「観光ビジネスを教えられる人は少ない上、教材もありません。私は、野沢温泉の森さんから源泉かけ流しの素晴らしさを初めて教わった。地元高校生にも、地域の魅力を伝え学んでもらわなければなりません。皆さんが学校とコミュニケーションをとり、カリキュラムを作っていってほしい」と呼びかけた。
また、山本さんが教鞭をとる専門学校の卒業生で、現在近畿日本ツーリスト関西で店頭業務に携わる木下奈美さんも自身の体験を話した。
海外挙式の手配をした夫婦から、一枚の画像がメールで木下さんのもとに送られた。「この絵の場所に行きたい、というご相談でした。奥様は幼少のころ病弱で、この絵は病院ロビーに掲げられていたそうです。学生時代にも美術の授業で模写したほどで、15年間ずっとこの場所に行きたいと思っていたそうです」。

観光教育の大切さを長野県関係者に伝える
絵は、湖畔の遊歩道を手前に遠くには白い山々を望む風景画だった。店のスタッフ総出で推測したが、決め手がない。旧知の地元山岳ガイドにも当たってみた。「山の形からイタリアのコモ湖ではないかと教えてくれました。違うかもしれませんが…と断りを入れて、ご夫妻のプランを造りました」。
「帰国された奥様からお店に来るとご連絡があり、現地で撮った写真を見せていただきました。絵そのままでした」。奥様と喜びをともにし、木下さんは改めて「お客様の夢をかなえる」この仕事の素晴らしさを実感したという。
再び山本さんが登壇し「観光教育で1人でも多く、木下さんのような卒業生を出したいと思いました。地元での観光教育は、皆さんの出番です」と力を込めた。
その後、信州の地酒や郷土食を振る舞い、関西のメディア関係者に信州の魅力を伝えた。
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