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ゼロではなく1/100に 宮沢・京大准教授、近畿運輸局のコロナ対策セミナーで講演(2)

移らないから、移さないへ

新型コロナウイルスに感染することを「ゼロリスク」で対応しようとすることに無理があると宮沢准教授。「このウイルスを日本からなくすのは無理。医療崩壊を起こさないようにする。そのためには、自分が移らないことよりも、他人に移さないことに注意を向けるんです。マスクは、そのために重要です」。

そこで、宮沢准教授が提唱しているのが「100分の1作戦」。ウイルスが一つでもあれば感染するのではなく、これまでの動物実験で「ネコの病原性コロナウイルスでは試験管で産生されるウイルス100万個であるのに対し、ネコを感染させるには1万個が必要です。つまり感染性ウイルスを100分の1程度にすれば感染しないのではないか」という。

それを裏付けるデータもそろってきている。新型コロナウイルス感染症では、発症前後数日はウイルスを伝達しやすいが、7日以降はウイルスを伝達しない。「発症後10日で唾液中のウイルス量は発症日の100分の1になります。その段階では他人に移りません。ただ今の陽性者数は、無症状の感染者が発症から10日経ってPCR検査を受け陽性になった人も含んでいます。その数字の増減に一喜一憂するなんて、とちくるってますよ」。

「そう考えておけば対策は楽になると思うし、過剰な対策はトータルで人的被害を拡大します。新型コロナウイルスは簡単に移るウイルスではありません。交通機関の現行の感染対策は十分です。今は、正確な知識を国民に伝え恐怖心を取り除くことが大切です」

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