OATA、恒例の高知モニターツアー 旬な施設めぐり送客増を誓う(1) 梼原で“隈建築”に触れる
協同組合大阪府旅行業協会(OATA、鈴木隆利理事長)の会員25人が1月18―19日の2日間、公益財団法人高知県観光コンベンション協会の招きで、高知県西部の梼原町、東部の安芸市・北川村などへ“旬”な施設を視察するモニターツアーに参加した。
高知県では同協会が設定する助成金を使ったOATA会員の送客力を評価。2017年からOATA会員を招いたモニターツアーを実施しており、今回で5回目。前回同様、コロナ禍の中の視察とあって“密”を避け感染症対策を講じて行った。
視察の初日は、梼原町のくさぶき民家を移築した農家レストラン「くさぶき」で昼食をとったあと、町内に点在する建築家・隈研吾さんが手がけた建築物を見学した。隈研吾さんは新国立競技場の設計者であり、木造建築の第一人者として知られるが、梼原との関りは1987年から。
バブルが崩壊して仕事が激減した隈さんは、高知市の知人の依頼で梼原を訪問。木造芝居小屋「ゆすはら座」の保存運動に協力したことから梼原との交流が始まった。その後、1994年に雲の上のホテル(現在建て替え中)を皮切りに、2006年にパッチワークのように杉板を外壁に張った梼原総合庁舎、10年に雲の上のホテルにつながるやじろべえ型の刎橋(はねはし)、茅葺の外観が特徴のまちの駅梼原(マルシェ・ユスハラ)、18年に周辺の山並みを表現した外観と内部を森の中をイメージした雲の上の図書館を相次いで設計した。
隈さん自身「梼原は最初に木と出合った場所。木の良さや気を大事に育てる哲学を学んだ」と語っており、隈建築の原点が梼原といってもいい場所だ。
梼原町はこれまで、幕末期の「龍馬脱藩の道」を前面にしたアピールが主だったが、新国立競技場の設計者として知られるようになったことから「隈研吾建築ガイドツアー」をスタート、人気は上々だという。
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