【観光業界リーダー年頭所感】公益社団法人日本観光振興協会 会長 菰田正信 氏
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、「大阪・関西万博」が開催され、国内外から多くのお客様をお迎えし、盛況のうちに終幕しました。次なる博覧会としては、「GREEN×EXPO2027(2027年国際園芸博覧会)」が神奈川県横浜市で開催されます。博覧会の成功に向け、観光産業一丸となって全国的な機運の醸成に努めてまいります。
さて、足元の観光産業に目を向けますと、輸出額では第二の基幹産業として重要な経済基盤へと成長を遂げている一方で、様々な課題が顕在化し、量から質への転換のさらなる推進による「持続的成長」と「稼ぐ力」の両立が求められています。そのためには、以下四点に速やかに取り組むことが必要だと考えています。
第一に、急速なインバウンド拡大等に伴うオーバーツーリズムやマナー違反への対応、第二に、均衡の取れた双方向交流の実現、第三に、国内観光の一層の需要拡大、そして最後に、慢性的な人材不足への対応です。
とりわけ、オーバーツーリズム解消という観点では、訪日外国人による宿泊の約7割が三大都市圏であることから、地域分散・地方誘客が重要であり、魅力あるコンテンツや商品の開発をはじめ、観光DXの活用、二次交通などの受け入れ体制整備が求められます。そのためには、地域の司令塔機能を果たすDMOの財源・権限を含めた機能強化が欠かせません。
当協会では、かかる課題を踏まえ、現在、政府が取りまとめを進めている2026年度から2030年度までの「第5次観光立国推進基本計画」に対し、昨年10月に提言を発表いたしました。今後、新たな計画のもと実効性ある取り組みが着実に推進されるよう、尽力してまいります。
当協会の事業としては、昨年、データに基づく地域の観光戦略立案・実行ができる人材を育成・認定する「観光DX検定」と、DMOの中核・実務人材向けに基礎知識や実践的なスキルを提供することを目的とした研修プログラム「Dスタディ」を創設しました。本年も引き続き内容の充実に努めてまいります。
さらに観光産業の重要性や将来性、地域および日本経済への貢献等を明確にし基幹産業として持続可能な姿を示す、中長期的なビジョン策定にも取り組んでおり、本年6月に発表する予定です。
当協会では、このような多様な取り組みに加え、全国組織である利点を活かした事業等を通じ、政府や地方自治体、観光産業に関わるあらゆるステークホルダーとともに、持続可能な観光地域づくりを軸とし、今まで以上に多様な分野や産業との連携を強化することで、観光の価値向上と我が国の経済発展に貢献する一年にしてまいりたいと存じます。皆様には引き続きご支援とご協力を賜りたく、お願い申し上げます。
最後に、皆様の今年一年のご多幸をご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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