有料設定が増加、課題は後継者育成 日観振、観光ボランティアガイド組織調査
日本観光振興協会は4月3日、全国の観光ボランティアガイド団体の現況についての調査結果をまとめ、公表した。人数は増加が止まり、時代は数より運営の中身に推移。後継者の育成や外国人客への対応など、現状の課題も明確に提示している。
調査は2019年1月から20年1月まで行い、全国から1402件の回答を得た。未回答もあるため参考にとどまるが、組織数は前回調査の18年より微増の1729で、ここ10年でほとんど変化がない。人数は18年とほぼ同数の約4万6千人で高止まりの状態にある。1組織あたりの人数は10―19人が32・8%で最多。
ガイド料については、有料が25・7%、無料が21・2%、実費負担が17・8%。前回から有料と実費負担が逆転、しっかり対価を得るという方向性がようやく明確になってきた。料金設定は「ガイド1人あたり」はほぼ3割、「お客1人あたり」がほぼ2割。ガイド料は、例えば「ガイド1人あたり」は1千円以上2千円未満が25・5%と最多だが、3千円以上5千円未満の割合が増加するなどやや高額な設定も増え、対価への意識づけが進んでいるようだ。
一方で外国人客へ対応している組織は17・9%と、前回とほぼ変わらず大きな進展はなし。対応言語は英語が9割強、中国語3割、韓国語2割。
年間の案内実績は1組織あたり100人以上500人未満の23・8%、1千人以上3千人未満の23・3%が突出。日本人客と外国人客の比率は9対1で、まだまだインバウンド利用は進んでいない。
年間の収入は10万円以上50万円未満が41・7%で圧倒的。500万円以上も6・8%あるが、5万円未満も10%以上あるなど、あくまでボランティアでありビジネスとしての側面は薄い。収入は会員からの会費とガイド収入、自治体などからの補助金が大半。
抱えている課題は、後継者育成が85・8%で、大半の組織共通の課題。以下、案内技術の向上、財源、外国人受け入れが3割程度で続く。
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