安全・安心とホスピタリティ
先日、出張のたびにお世話になっているビジネスホテルで夜中に、誤作動から火災報知器が鳴り響く事故がありました。どれだけの人が客室にいたかは不明ですが、私はハッとするばかりで、警報音と「火事です。逃げてください!」という自動音声に瞬時の状況判断ができませんでした。
次の瞬間、「8階で火災が発生しています、すぐに逃げてください」。
火災が発生しているフロアーが限定されたことで、さすがに逃げる準備が必要と判断し、着替えを済ませ、携帯電話と貴重品だけを手に持ち、靴に履き替え、部屋を出ようとしたが、煙の臭いがないばかりか、人の気配もない…。夢の中なのか?と再び部屋に戻ってカーテンを開けました。平和な夜にしか見えません。3分ほど経ったでしょうか、たどたどしい日本語ですが、外国の方じゃない声で「只今の警報は誤報です。皆様、安心してお休みください」と2回繰り返されて終了でした。これが現状なのかと一層、不安になりました。
「安全・安心」が優先事項であることは分かっていても、突然やってくることへの対応は、よほどの準備がなければできないことを実感しました。
何の根拠もない「安心してお休みください」がこれほど不愉快なものに感じたこともなかったです…
(喜山光子=公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
(トラベルニュースat 2025年4月10日号)
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