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SNSが学生を狂暴化させる

今年もまた新人がやってくる春が近づいてきました。数年前までは大学新入生と会うのが楽しみでしたが、今は少し憂鬱です。皆さんの会社ではいかがでしょうか。

それは、リアル社会に触れる機会が少なく、SNSで育ったモンスターさんたちが増えているからです。

日本は、もともと公務員用だった厚生年金や医療保険などが戦後全国民に適用され福祉国家になりました。ゆりかごから墓場まで国が面倒を見る英国型となったのはよいですが、成長の罠から都市へと人口が流出して少子化となり、財源を拠出する労働人口が減少して福祉の構造に限界が生じてしまいました。理解できるのは、初任給をもらった時、控除額の多さに驚く時です。米国のように皆保険制度ではない国であれば、将来不安から老後資金を貯めるのはわかりますが、年金をもらえる日本でも若いうちから同様のことが起き、消費にまわらず、デフレから脱却できません。常に国の敷いたレールに乗っているだけで考えないからです。そういう話をすると「なぜ日本を悪く言う先生は外国に出ていかないのか」とコメントされます。会社であれば、SNSで「給与少ね!」という本音が陰で聞こえてきそうです。

学期末の匿名での授業評価アンケートではモンスターたちが大活躍。若い女性の先生などは餌食になりやすいのですが私も相当ひどいことを書かれます。数年前まではなかったことですが、SNSのコメントと同じ感覚なのだと思います。

記名式ですとそんなことはまったく起きません。SNSが心の中のモンスターを狂暴化させたのだと思います。

12年間、国の指導要領どおりのいい子ちゃんで育ち、兄弟の少ない家庭で大切に育てられたのはよいのですが、リアル社会に触れる機会が圧倒的に少ないという特徴があります…

(井門隆夫=國學院大學観光まちづくり学部教授)

(トラベルニュースat 2024年2月25日号)

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