大型、高速化の新造船就航 宮崎カーフェリー、個室を大幅に増やす
神戸と宮崎を結ぶ宮崎カーフェリー(郡司行敏社長)は、4月15日から新造船「フェリーたかちほ」(1万4200トン)を就航させた。
新造船の就航は25年ぶりで、全長約194メートル、全幅約27・6メートル、航海速力23ノットと従来船より大型化と高速化を実現した。車両積載量はトラック130台から163台に増やす一方、乗用車は85台から81台に減らした。旅客定員も690人から576人に減少したが、これは従来の大部屋を減らし、個室を大幅に増やしたためだ。
個室は106室あり、シングルやツインルームのほか、3つのベッドを備えた「プレミアムトリプル」、2段ベッドが2つの4人部屋仕様の「ファーストフォース」など多様な旅行形態に対応できるようにした。ペットやバリアフリー対応の客室も設けた。
個室以外の客室としては、定員20人の和室大部屋「ツーリスト」、252人収容で2段ベッドがある「ドミトリー」を備えている。
船内は宮崎の自然やトロピカルフルーツをイメージした暖かな色彩を採用。宮崎の伝統芸能である神楽で使われる「彫り物(えりもの)」の切り絵をモチーフにしたデザインとなっている。新しくイベントステージやキッズコーナー、ドッグラン、会議室を設けた。最新鋭の空気清浄機を導入し、感染防止対策にも注力している。
就航に先立ち14日、神戸港のフェリーターミナルで開かれた船内見学会で、郡司社長は「新造船の就航で港町・神戸と南国・宮崎の人と人、まちとまちを結ぶ懸け橋としての役割を果たしたい」と話し、スタートしたばかりの新船がさらに成長できるようご支援を、と訴えた。
なお11月には、2番船として「フェリーろっこう」の就航する予定。
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