万博決定に思う
2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪市に決まった。大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)の15ヘクタールが会場となる。現在、大阪が誘致を進めているIR(統合型リゾート)も実現すれば、何の変哲もない埋め立て地が一大観光客誘致ゾーンに変ぼうする。今回の万博誘致の成功は、大阪にとって大きな希望を抱かせた。
ただ前回、1970年の大阪万博の再現はない。全国から団体客が押し寄せ、国内旅行業が産業化する礎となったような時代でもない。あのころは国自体が「イケイケどんどん」の青年期だったようなもので、今日の成熟期に開く万博とは根本から異なることを念頭に置いておいたほうがいい。
かと言って、我々の業界が「およびでない」ままコトが進むのはたまらない。地方創生で金儲けにつながるとなると異業種や大手広告代理店がドッと参入し、利益をかっさらっていくのを繰り返されるのはごめんだ。金目当てに万博に群がり、万博が終わると閑古鳥が鳴くような愚だけは我々の業界で阻止したい。
70年万博後の大阪は大失速した。万博後も大阪、関西へ国内外から繰り返し来てもらう。そのために大阪、関西を好きになってもらう︱我々の業界だからこそ、できることだと肝に銘じたい。
(トラベルニュースat 18年12月10日号)
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