大手旅行5社トップと初会合 全旅連が意見交換会企画(2) JTB髙橋社長・日本旅行堀坂社長・東武トップ坂巻社長/意見交換
全旅連の多田会長をはじめ副会長や幹部らと、大手旅行5社のトップが初めて膝を突き合わせ、観光立国の推進や中小宿泊施設の送客について意見を交わした。意見交換の要旨をまとめた。
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リピーターの地方分散 JTB・髙橋社長
JTBの髙橋社長は訪日外国人の誘客について、ゴールデンルートへの過度な集中をいかに地方に分散させるかがポイントだと話し「リピーターの地方分散を図り、消費のフィールドを広げる必要がある」と課題をあげた。そのために鍵となるのが、宿泊につながる朝と夜の企画だとし、星空観察や街のライトアップ、朝市散策など各地域での取り組みに期待を示した。
また、2022年に冬季・北京オリンピックを控えた中国を中心に、スキーなどウィンタースポーツ需要が高まると指摘し、特にスキー場のある地域での取り組みを訴えた。
有料観光へシフト促す 日本旅行・堀坂社長
日本旅行の堀坂社長は、インバウンド拡大では、大きな災害時に旅行者の安心・安全をどう確保するかが課題として表面化しているとし「旅行業界全体でタッグを組んで取り組みたい」と考えを述べた。
また、宿泊施設への期待として、エリア単位の送迎バスの運行や、ナイトタイムの企画づくりなどをあげた。「大仕掛けは必要なく、温泉街の足湯と居酒屋を組み合わせるだけでもプランとして提供できる」。
消費を促す工夫についても「無料の観光が多すぎる。例えば花火大会もいい場所を有料で売るのもひとつ」と話し、従来、無料だった観光で有料化できるものの検討を促した。
国内旅行の振興については、JRグループが自治体と共同で実施しているDC(デスティネーションキャンペーン)の進化、中小宿泊施設の集客では、多様性と差別化で良質な客にターゲットを絞ることを提案した。
選ばれる旅行業者に 東武トップ・坂巻社長
「観光の目的は地域にお金を落としてもらうことだと地域全体で明確に意識することが大事」だと話したのは、東武トップツアーズの坂巻社長。そのうえで、消費拡大には、多くの観光客に1日滞在してもらうだけでなく、少ない客に長く滞在してもらう視点を取り入れてほしいと求めた。
インバウンド隆盛の今にあっても市場規模20兆円の国内旅行の振興は外せないとし「湯治ツーリズムやインフラツーリズムに取り組んでいく。OTAが伸びるなか、旅行業者も選ばれる時代。旅行に行く人を増やすことで旅行業者の役割を果たし、選ばれる旅行業者となるよう気を引き締めたい」と話した。
(トラベルニュースat 19年7月25日号)
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