長嶋茂雄さんと全旅連
プロ野球界に輝かしい実績を残し国民的な人気を博した長嶋茂雄さんが亡くなった。連日長嶋さんの様々な逸話が報じられているが選手、指導者時代を含め預言者的な言い回しから動物的な勘、勘ピュータなどと例えられることが少なくなかった。
そんな長嶋さんも我々の業界に足跡を残している。東日本大震災で観光業界にも甚大な被害が出た2011年。全旅連全国大会がホテルオークラで開かれ、大会実行委員長だった大木正治さんが「長嶋さんに来てもらい組合員を元気にしたい」と、人脈をたどって秘密裏に準備を進めた。偶然にも長嶋さんはホテルオークラに自身の客室を持っていたことから「オークラでの開催なら、体調が良ければ出席できるかもしれない」と返事をもらった。
当日、長嶋さんがサプライズゲストで現れるとどよめきが起き、会場の空気感が変わった。司会者が「被災者を受け入れてきたことを知り、旅館のホスピタリティに驚きました。日本人だけでなく外国人も心おきなく日本の観光を楽しめる日は必ずやってきます」という長嶋さんのメッセージを読み、自身もマイクを持ち「皆さん頑張りましょう」とかすれた声で訴えた。あれから14年。長嶋さんの言った通りになった。さらにホスピタリティに磨きをかけ、国内外の観光客をもてなしたい。
(トラベルニュースat 25年6月10日号)
- “便乗員“より添乗員(25/12/12)
- 地元商店と一緒に誘客(25/11/27)
- 車窓越しの交流で集客(25/11/13)
- 町の本屋さんから学ぶ(25/10/28)
- リアリティが名作を生む(25/10/14)
- 万博会場で示した決意(25/09/26)
- 動いてナンボが観光人(25/09/12)












