足下を掘り泉を探そう
先日、知人が800人ほどの食事ができるドライブインで勤務するようになったというので立ち寄った。抜群の立地ではあるとはいえ、大きな収容規模の施設の集客はさぞかし大変だろうというような話をしたところ、大人数で一堂に食事を取れる施設が減っているため、まずまずの利用客があるのだそうだ。
彼自ら着任後に調べてみると、団体対応とはいえ食事の原価が高く、内容もいいのだという。土産物もその地域でしか手に入らないような良質な商品がそろっており、地酒も通常では手に入りにくいものまで並べてあるらしい。庭を見ながら食事ができる個室も持っていて、個人・グループ客にも十分な対応が可能だ。料金も高くない。
ところが…。高原価の食材に、他施設ではマネのできないこだわりの物産品をそろえ、庭園を備えた個室での食事処があるといったアピールができていない。知る人ぞ知るといった存在だとため息を漏らす。旅行会社にもきちんと伝わっていない。
「なんともったいない」と思うが、それでも黒字経営というから、情報をきちんと発信できればどうなるのだろう、と思う。「私がよそ者として勤務したからわかったこと」と知人が言うように、自施設の何が儲けにつながるのか、足下を掘り、泉を見つけることをお勧めしたい。
(トラベルニュースat 19年8月25日号)
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