逆境を踏ん張るために
昨年末ようやく新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、観光業界にわずかながら動きが出てきたと思ったら、今度はこれまで以上に感染拡大が早いオミクロン株で、またもや旅行・宿泊業はキャンセルの嵐。全国各地でこれまでにない数の新規感染者数が報じられている。
それに合わせて地方自治体からまん延防止等重点措置の適用申請が行われ、政府は「今後の感染者数の推移や病床使用率を見極めたうえで、1月25日に正式決定する」との見通しだが、今の状況では適用を決定するのは間違いない。
そうなると、さらなる予約キャンセルにつながり、我々の業界の冷え込みはきつくなる一方だ。中小旅行会社の数社は「これまでなんとか踏ん張ってきて、ようやく明るい兆しが見えてきたところで、オミクロン砲をくらった。心が折れそうだ」と、悲痛な声を上げる。
ある旅館では「自社でのキャンセルも大変だが、それよりも仕入業者はすでに仕入れたものを処分しなければならず、金額的にも被害が出てしまう」と気遣う。旅館ホテルでは、予約団体が近隣だった場合は料理をデリバリーし食品ロスを軽減しているところもあるそうだ。
キャンセルという逆境をチャンスに転じされる方策はないものか。恨み節ではなく知恵を絞りたい。
(トラベルニュースat 22年1月25日号)
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