楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

北陸応援割に思う

24/03/13

能登半島地震で落ち込んだ福井・石川・富山・新潟の4県の観光需要を回復させる「北陸応援割」の予約の受け付けが3月8日(石川県のみ12日)から始まった。各県の旅行会社や宿泊施設では、予約申し込みから1時間以内で持ち分の予算枠が完売になり、オンライントラベルエージェントでは秒殺で売り切れたところもあるという。

前回にも書いたが国や地方自治体が応援割や復興割を実施すると必ずといっていいほど現場が混乱する。政府は当初、北陸支援の応援割を実施するとしか発表しなかったため、全国の旅行会社は「応援割を使って北陸へ送客しよう」を意気込んだ。しかし途中で応援割を扱える旅行会社は北陸4県で業務を行っている業者に限られていることがわかり、商品化をあきらめた。それならば北陸と関西の旅行会社が連携し、現場レベルでの応援策を講じようと、ある県に提案したが「そんな予算は取れない」と一蹴された。こんなことでは全国規模で北陸へ行って応援しようという気運をそぐことになってしまわないか。

応援割を設けずとも、北陸へ行くことでツアー費や宿泊費の何%かが義援金として北陸支援に使われる、といったようなキャンペーンを実施した方が心情的にも北陸への関心が高まったのではないか。「応援」「支援」という思いを広範に及ぼすことが政策支援ではと思った。

(トラベルニュースat 24年3月10日号)

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
個性全開、輝き増す山陰紀行・島根鳥取西部編

島根県では美肌県を前面に、2023年に高視聴率を記録したテレビドラマ「VIVANT」のロケ...

個性全開、輝き増す山陰紀行・鳥取東部三朝編

「蟹取県」「星取県」に続き、辰年の今年は「とっとリュウ県」―。県の形が龍に見える?ことから...

「光る君へ」稀代の女流作家の足跡求め・滋賀大津

後世に深く濃く語り継がれる名作を描いた女流作家は、混沌とする世の中を、愛を持って駆け抜けた...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ