町の本屋さんから学ぶ
書籍のネット販売やデジタル化により、リアル書店いわゆる「昔ながらの町の本屋さん」の廃業が相次ぐ。反面、独自のアイデアや得意分野に磨きをかけて踏ん張っている本屋もある。
その本屋は、大阪市内で営業している2つの店舗。一つは、本を買うとポップでオリジナルなブックカバーを無料でつけ、これが評判を呼びSNSなどに拡散。ブックカバーの新作ができると行列ができるほど。京都の美大を卒業し、印刷会社で店頭の販促物について学んだ三代目の店主が試行錯誤しながらオリジナルのブックカバーを誕生させた。ユニークなところでは牛乳石鹸やアイスキャンディーがブックカバーになっていて、アイスキャンディーの棒に当たる部分がしおりという凝りようだ。
もう一つは店主が、来店客が好みそうな本をアドバイスしたり、自ら面白いと思った本の作者を呼んで講演会を開き自著の魅力を聞き出したりしている。一冊の本の販売数が都市部の一等地にある大型店舗を抜いて一位になったこともある。
我々の業界での中小旅行会社は「町の旅行屋さん」として「町の本屋さん」同様、地域でなくてはならない存在だった。時代が変わる転換期にあって、リアル店舗の特色をどう出して生き残っていくのか、この2つの書店から学びたい。
(トラベルニュースat 25年10月25日号)
- “便乗員“より添乗員(25/12/12)
- 地元商店と一緒に誘客(25/11/27)
- 車窓越しの交流で集客(25/11/13)
- リアリティが名作を生む(25/10/14)
- 万博会場で示した決意(25/09/26)
- 動いてナンボが観光人(25/09/12)
- 地域をカイゼンする(25/08/29)












