楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

天災と危機管理 クラツー関西国内旅行Cの対応から(3) 北海道地震・ツアー客の帰阪対応に苦闘

痛恨のキャンセルも現場は一丸

関西国内旅行センターの池谷中支店長は6時に出社、陣頭指揮にあたった。「朝の段階で7日までの北海道ツアーはすべてキャンセルが決まっていたので、北海道にいらっしゃる140人のお客様を無事に大阪までどうお帰りいただくかがポイントでした」。新千歳空港は閉鎖、迎え入れる関西国際空港は台風21号の影響で使えない。非常事態だった。

「北海道との路線は伊丹空港にもありますが、線が細くすべてのお客様に対応できるとは考えられません。そこで帯広、旭川方面へバスで向かっていただき、航空座席を押さえていきました」。ただ、その数は限られるうえ、中部国際空港(セントレア)着便や羽田空港の経由便などで数十人を対応するのが精一杯。

大半は、6日の帰阪を断念し延泊することになった。しかし、ここでも大きな問題が立ちふさがった。札幌市内の多くのホテルが停電などライフラインのダウンで「受け入れられない」と言ってきたのだった。

「そんな時、クラブツーリズムパートナーズ会の存在がありがたかったです。懇意にしているお宿さんが受け入れてくれ、延泊対応も何とかなりました」。最長2泊の延泊をした客もいたが、8日までには全員無事に帰着させた。

「結局6日から12日まで北海道ツアーはすべてキャンセルにしました。台風21号と北海道胆振東部地震で9月上旬から中旬にかけてほとんど営業できていません。今後は各関係機関と協力して、少しでも挽回できるようやっていくしかありませんね」。台風と地震というダブルパンチで、関西国内旅行センターの一体感は逆に強まった、と池谷さんは感じている。支店一丸で反転攻勢に打って出る。

台風21号では関西国際空港が閉鎖になった。次号では海外旅行ホールセラーの現場の声をリポートする。

(前の記事)天災と危機管理 クラツー関西国内旅行Cの対応から(2) 台風21号・延泊、事後処理…判断に悩む

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
「光る君へ」稀代の女流作家の足跡求め・滋賀大津

後世に深く濃く語り継がれる名作を描いた女流作家は、混沌とする世の中を、愛を持って駆け抜けた...

和歌山龍神に輝く夕夜景

大阪の中心部から車で約2時間、南紀白浜空港から1時間ほどの距離に位置する和歌山県田辺市龍神...

サステナブルアイランド四国への誘い・愛媛編

四国が進める観光のテーマは「持続可能」だ。社会全体のテーマとしてもはや中心に座りつつあるサ...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。19年版発売中!

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。22年版発売中!

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ