過去最高規模で活況 ツーリズムEXPOジャパン’18(1) 世界の観光考える・基調講演から
「ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)2018」(主催・日本旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局)が9月20―23日、東京・有明の東京ビッグサイトで開かれ、世界136カ国の国と地域から過去最高の1441(前年比10%増)の企業・団体が出展し、インバウンド、アウトバウンド双方で活発な商談が行われた。期間中の来場者は一般参加者も含め過去最高の20万7千人となった。TEJの最大の成果とも言える世界観光大臣会議は昨年に続き第2回目が行われ、各種セミナーと合わせ、持続可能な観光や、観光による地域振興をテーマに、よりよき観光のあり方について意見が交わされた。来年の「ツーリズムEXPOジャパン2019」は、19年10月24―27日に、東京以外では初めてとなる、大阪市のインテックス大阪で開催される。
旅行の円滑化、コミュニティ、過疎化 課題解決へ意気込み
開会式とジャパン・ツーリズム・アワード表彰式に引き続き、世界各国の観光大臣や観光機関トップ、出展事業者などが参加した全体会議では、国連世界観光機関(UNWTO)のズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長と、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)のグロリア・ゲバラ・マンソ理事長の両氏が基調講演した。
両氏からは、著しい伸びを見せる国際観光客数が17年の13億人から、30年には18億人に達する見込みであることや、観光収入のGDPへの寄与がアジアでは10%に近く、雇用についても世界では10人に1人が観光産業に就くなど、大きく貢献している現状が報告された。
その上で、マンソ理事長からは、観光が持続可能な成長を継続するための将来の課題としては、安全と危機管理、旅行のさらなる円滑化、コミュニティや気候変動など国際問題にコミットメント、過成長による観光地の過密や混雑に対処する必要性が提起された。
このうち旅行の円滑化については、空港到着から搭乗までの時間を20分に短縮する目標が示され、コミュニティへの関与については、過密の解消法の模索など「あらゆるコミュニティに、観光がいい影響を与えたい」と意気込みが語られた。
過密化への対処に関して、マンソ理事長は日本の事情にも詳しく「日本遺産の認定などは、分散化のいいモデルになるかも知れない」と期待した。
(トラベルニュースat 18年10月10日号)
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