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地元宿泊キャンペーン、効果に明暗(4) 地域の旅行会社の存在、どう捉える

県と交渉、第2弾では受付可能に “愛”ある仕組み作れるか

キャンペーン開始直後は、組合加盟の旅行会社店舗に客が訪れ、宿泊券を所望する姿も少なくなかったという。中間理事長は「なぜ申し込みできないのだ、とお客様にお叱りを受けた話も届いています。その上で、宿泊手配の無償化を県が認めたということは、今後慣習になってしまう恐れもある」と危惧している。

中間理事長は、制度の不備を改めさせるため、県議会議員と意見交換を行い、県庁の観光部局へも要望具申を重ねた。

事業の企画・運営業務委託はプロポーザルで行われた。受託したのはJTB鹿児島支店だった。県観光部局との意見交換で、鹿児島県旅行業協同組合側が「無償ボランティアは企画提案とのことだが、旅行業法にのっとった手数料を収受しないという仕組みの提案を県が採用したことが理解できない」と抗議した。

同キャンペーンの第2弾は7月下旬から8月下旬の宿泊分で、第1弾と同様、2万人分の宿泊を予定している。予約受付は7月中旬を予定している。県民の声、中間理事長らが足繁く交渉したことにより、第2弾では県内約80の旅行会社店舗での予約受付も可能になる予定だ。

中間理事長は「JATA、ANTA会員分け隔てなく取り扱えるように要望しました。我々はここ数カ月間、売上ゼロが続いてきたわけです。それでも歯をくいしばって事業と雇用を守ってきました。一部旅行会社だけが利を得るような仕組みは心も愛もない」とし、次のように発した。

「小規模事業者だからといって、びびっていたら何も変わりません。コロナ後の新しい形は自分たちで切り開いていかなくてはならないのです」

鹿児島県の動向は次号に続報する。

(前の記事)地元宿泊キャンペーン、効果に明暗(3) 鹿児島県のCPには不公平感

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