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【観光業界リーダー年頭所感】一般社団法人日本旅館協会 関西支部連合会会長 中田力文 氏

謹んで新年のお慶びを申し上げます。年頭にあたり、12月に発生いたしました青森県を震源とする地震により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧と、被災地の皆様の安全と平穏な日常が戻りますことを、心よりお祈り申し上げます。

自然災害や国際情勢、経済環境の変化が相次ぐ中、私たちは先行きの不確実性と向き合いながら、次世代を見据えた持続可能な社会・産業の在り方を改めて問われています。観光産業においても、従来の延長線上ではなく、「変化を前提とした進化」が求められる時代に入ったと強く感じております。

2025年の関西観光を振り返りますと、国内旅行需要の高まりに加え、アジア・欧米を中心としたインバウンドの回復が追い風となり、観光地には再び活気が戻りました。一方で、物価高やエネルギーコスト、人材不足といった経営課題は依然厳しく、観光産業が「回復から進化へ」と転換を迫られた一年でもありました。

白浜におきましては、長年地域の象徴的存在として愛されてきたジャイアントパンダが6月に中国へ返還され、大きな関心と反響を呼びました。その後、ファミリー層や教育旅行・団体旅行を中心に一定の落ち込みが見られ、観光素材の依存リスクが改めて浮き彫りとなりました。加えて中国情勢の変化に伴う訪日需要の不安定化も影響し中国本土からのインバウンドは伸び悩みました。国際観光回復の流れにありながらも需給の偏りや外部要因への脆弱性が表面化した一年であったと言えます。

しかし、こうした逆風の中でも、地域の皆様の取り組みにより白浜・関西は足を止めることなく観光の多様化を進めました。海・温泉・食・自然体験・ウェルネス・スポーツ・ワーケーションなど、複数の価値軸を磨き上げることで「パンダだけに依存しない持続可能な観光地」へと確かな進化が見られたことは、大きな地域資産となりました。

迎える2026年は、観光産業にとって新たな成長ステージの幕開けとなる年です。近年、次世代決済プラットフォームの発達が進む中で、暗号資産やステーブルコインを用いたマルチ通貨決済が注目を集めており、今後、世界中の旅行者にとってさらなる利便性向上が期待されています。決済は単なる会計処理にとどまらず、旅行前後のデジタル接点の拡充や顧客理解の深化、地域消費の最大化につながる重要なインフラです。観光事業者がこうした動向を的確に捉え、柔軟に向き合っていくことで体験価値・収益構造の両面において新たな可能性が拓かれるものと考えております。

観光の本質は、人と地域がつながり、心が動く体験を提供することであります。テクノロジーの活用と、日本の旅館が大切に守り続けてきたおもてなしの精神を高い次元で融合させ、「選ばれ続ける観光地」へと地域全体で進化していく一年にしたいと考えております。

本年も「地域とともに歩む観光」「次代につなぐ観光」をテーマに、行政、企業、教育機関、地域住民の皆様と力を合わせ、持続可能で魅力ある観光地づくりに尽力してまいります。

年頭所感

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