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脱アウトバウンド 旅行社の提案力が試される

連日のように訪日外国人旅行者に関する話題がマスコミやメディアで取り上げられ、インバウンド復活を誰もが認識するようになりました。

その反面、アウトバウンドに関してはまったく触れられることがありません。コロナ禍前には約2千万人の日本人が海外旅行に出掛けていたにも関わらず、2022年はたった277万人、今年1―7月累計は450万人まで回復したとは言え、インバウンドがコロナ禍前に復活しようとしている状況に比べると回復するスピードは遅過ぎると言わざるを得ません。

アウトバウンドが減少し、復活しない理由としては、為替レート(円安)と海外諸国のインフレ状態が長期間にわたって続いていることが大きく影響しています。現在、アウトバウンド需要が伸び悩む中、国内旅行が増加傾向なのは海外旅行派だった人たちが国内旅行にシフトしていると考えられます。当分の間、円安などの状況が改善されることがないとすれば、海外旅行よりも国内旅行の需要が増えることを想定した取り組みが重要となります。

観光地として市場を大きく分類した時、「インバウンド」「国内旅行」「地元」があります。その中でも「国内旅行」と「地元」にはこれまで以上に迅速で細やかな対応が求められそうです。また、海外旅行派が国内旅行に要望するものがインバウンド以上に多様であることは、FITとSIT化が進んだ多くの海外旅行派の旅行形態を見れば明らかです。

旅行会社は顧客層と取り扱う観光商品によって分類と優先度に大きな違いがあると思いますが、特に地方の旅行会社は「アウトバウンド」の行先を積極的に海外から国内にシフトすることや地元での楽しみ方を提案することが一層求められます…

(山田桂一郎=まちづくり観光研究所主席研究員)

(トラベルニュースat 2023年10月25日号)

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