地域の空き家を活用する欧州
では、ヨーロッパ型農泊の大いなる成長機会とは何であろうか。
特に地域のホテル、地域の旅館にとっての成長機会とはどのようなものであろうか。
ひとつの考え方として、アルベルゴディフーゾ(AlbergoDiffuso)がある。地域に散らばっている空き家を活用し、建物単体ではなく地域一帯をホテルとするイタリア発祥の取り組みである。アルベルゴ(宿)・ディフーゾ(分散している)という意味で直訳では「分散している宿」となる。
ホテルには、宿泊する部屋、レストラン、バーなどの飲食、お土産などを扱う売店などで構成されているが、アルベルゴディフーゾは、その構成要素が地域全体に広がっている。地域の空き家はホテルにおける部屋となり、レストランは地域の飲食店、となる。
アルベルゴディフーゾでは、地域にレセプション(受付)があり、そのレセプションでチェックインをし、部屋(空き家)の鍵を受け取る。食事は地域のレストランでもいいし、部屋のキッチンで地元食材の料理を作ってもいい。まさに地域に暮らすような滞在スタイルであり、この滞在スタイルはロングステイを可能にする。
これから急増する欧米豪インバウンド、特に地域においては必須のスタイルであり、彼らにとっては当たり前のスタイルである…
(百戦錬磨・観光創生班)
(トラベルニュースat 2019年7月10日号)
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